見出し画像

秘かな戦い

左足の脛の内側に時々頭を出し息を止めるほどの痛みを放出させる小さなしこりがある。


この痛みに数年間耐える私。なぜ病院に行かないかって?病院が嫌いだから(子供か)。きっと切って取るでしょ?麻酔するよね?麻酔って痛いっていうじゃない。針恐怖症のわたしには耐えられない。きっと、すぐなのよ。すぐ終わるのだろう。でも、診察して「じゃ、切って取りましょう」から、心の準備の時間などくれずささっと準備して、はい、切りまーすってなるんでしょ?無理無理無理無理。心の準備がぁっ!


 でも、このしこりの痛みもなかなかなのよ。
ぜんぜん痛くない日が続いたり。一日に何度も頭を出してはひーってなるくらい痛みの波がある。ちょっと触れただけでも痛いし、自発的に痛むときもある。お風呂の時も湯船につかると血管が広がってしこりを刺激するのか出てくるし。寝ているときに寝返りかなんかで当たったのか痛みで起きるし、痛み出すと数分は続くから厄介だ。とりあえず深呼吸をする。体を洗う時も痒くてかく時もこの子の存在を忘れてはいけない。常に私の片隅に意識させているのだ。


小さいころから痛みに弱くて、ちょっと転んだだけでも怪我もしてないのにすぐ泣いた。病院で注射するときもベッドに仰向けにされ看護師さん4人ほどに押さえつけられ暴れ泣いて皆様を殴る蹴る…。ごめんなさい。当時の看護師さんたち、すごくムカつきましたよね?顔に出てましたもの。皆様必死に抑えるから顔が凄く怖いの。だからさらに泣くの、私。悪循環よね。大人しくしてればすぐ済むんだよ!て思ってましたよね?きっと待合室で待ってた子供も私の鳴き声を聞いてビビっていただろう。それか、ダサいと思っていただろう。娘がそんな状況なのに面白そうに笑っている母。今の時代なら動画撮ってSNSにでもあげてそうだな。


歯医者だってそう、あの削られている時の振動と音が恐怖。2本の親知らずを抜くために全身麻酔で抜いたくらいなんだから。首にしこりができて取る時も局所麻酔だったけど意識がっつりあるから痛くないけど引っ張られている間隔とかはあって、ずっと看護師さんの手握ってた。大人にもなってさ。


昔よりは大丈夫にはなったけど、やっぱり怖い。想像しただけで痛い。

今日もあの子は私を刺激してくる。でも顔には出さない。あの子の思うツボ。だから誰も知らない。私が今猛烈な痛みに耐えていることを。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?