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プロ経由で見つける自分

私の爪は、すぐに伸びる。それが、なんとなく恥ずかしい。

稀にネイルサロンに行った時、「お客さん伸びるの早いですね〜」と言われると「す、すみません」となぜか謝りたくなってしまう。

だからネイルサロンに定期的に通おうとすると、相当な金額になってしまうので、大抵は一回きりのお付き合いだ。

何かのイベントごとに合わせてネイルをしてもらい、次は外してもらいに行く。「オフ」だけでもお金がかかるので、本当はオフしてもらった後に新しいネイルをしてもらいたいけど、それを続けてたらマネーが持たないのだ。

髪が伸びるのも割と早い。
だからどうしても前髪を切りたくなってしまい、結果的に毎回「前髪、自分で切りました?」と言われている。

「維持」だけでも、お金と手間がかかるこの不思議。
そのまんまで良かったとしても、私たちは何も手入れせずに、そのまんまでいられるなんてことがないのだ。

先日、脱毛に行った時、お姉ちゃんに連れてこられた高校生が来店した話を聞いた。その子は人生初脱毛で、終わった後「エモい…」と呟いていたらしい。

綺麗に整えられた爪、明るい髪色とニュアンスの髪型、スッキリした脱毛……。

自分一人では出会えなかったそれを目撃した時、私たちは言いようのないエモさ(?)を感じ、今までの自分では我慢できなくなる。

今はもうおそらくどのパーツで検索してもそれ専用のお店が見つかるんじゃないかというくらい、細分化したプロが存在している時代だ。

まだ見ぬ自分と出会ってみたい気持ちもあるが、それを知ってしまったら、また元に戻っていく自分にがっかりを感じてしまう怖さもある。

大事な友達の結婚式だから、と久しぶりにネイルサロンに行ってきれいにしてもらった爪を見て、そんなことを思う。

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