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あの夢の先へ

まだあったんだ。

この場所を私は知っている。綺麗に磨かれた床板に続くのは灰色に薄汚れたタイル。6つの個室の便器はどれも汚れて蜘蛛の巣が張っている。

ここに来たのは何年ぶりだろう。懐かしさに浮かれてしましそうだったが私には義務がある。壁にこびりつく無数の血について説明する義務だ。
瞬間、あの時の痛みと恐怖が蘇る。一緒にいた友達はみんな、みんな死んでしまった。死んだ後人はどうなってしまうんだろう、なんてことを悠長に考えている時間はない。

すぐ後ろには今回の「友達」、しばらくすればルールを説明する女の子が来てしまう。大丈夫、思い出せ。トイレの見取り図は覚えている。何度も何度も回ったのだから。仕掛けは、くそ、思い出せないとこもあるじゃないか。いや、5年ぶりにしては上々か。

どうでもいいか。さあ話して聞かせなければ。どの取手が掌を突き刺し、どの床下が足首を切り裂き、どの扉から首を絞める紐が吊るされるのか。
この「友達」の命は私の手にかかっているのだ。幾度も生み出される人だとしても、せめて安らかな終わりを迎えたいじゃないか。
さあ口の回る限り、頭の動く限り、どんな顔されても構わないから早く早く。

と言う夢を見ました。5年ぶりくらいに夢の中の同じ舞台のデスゲームに参戦してきました。
前回は全滅で私含め全員死んでしまったのに、今回は久しぶりだったけど記憶が結構残ってて誰も死なずに終わったよ!!

夢の中の記憶ってどこにあるんだろうね。
世界に入るまで全く覚えてなかったのに、入った瞬間に記憶は鮮明に蘇る、でも懐かしさもある、時間の感覚もある。

音は残りにくいけど触覚は結構残る。ぬめっとしたぬかるみや冷たい水の感覚が起きて残ってるとオエってなるよね。

小さい頃から何度も繰り返し見る怖い夢。
ずっと嫌だったけど最近は見なくなって、もう懐かしい。

ずっと捕まったり死んだり変わらずバッドエンドだった夢が、最近は自分で解決したり、ちょっといい終わり方になるのが嬉しい。
何かが自分の中で変わっているのかもしれない。

でも酷く懐かしくもあって変わって欲しくない、また見たいと思うので困ったものです。

#note100日投稿
#4日目

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