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テレビ屋気取り #16「あなたのストレス、コントに変えます!喜怒哀ラフ」(2021.01.02)


テレビを見ては寝ての繰り返しをしていたら、早いもので4日になってしまいました。

もっとやるべきことがあったはずだと思い、事実消化できていない部分はありますが、もっとも「やる必要はないけど長い目で見ればやるべきこと」をやっていこうと思います。



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紹介する番組
「あなたのストレス、コントに変えます! 喜怒哀ラフ」


1月2日(土)15:00~16:30 MBS/TBS系


これから紹介する番組な訳ですが、正直概要を説明するのが大変な番組なので、TVerの説明を引用させていただきます。

今年結成20周年を迎えてますます勢いに乗るオードリーがMCを務めるコント×トーク番組。
日本各地で「あなたの周りの“困ったさん”は?」という街頭インタビューを行い、そのエピソードを元にロッチやさらば青春の光など実力派コント師たちがオリジナルコントを作成。「ヤキモチを妬きすぎる彼氏」や「ナルシストが止まらない美容師」など、コント師たちの個性を活かしたキャラの強いコントが続々!
芸能界随一の鋭い観察眼を持つ若林と、常識にとらわれない価値観を持つ春日が、街の方々が抱えるストレスに何を感じ、自分をどのように重ねていくのか。今やラジオスターとなった2人とゲスト陣のここでしか聞けないトークが展開される。
街頭インタビューには渋谷の若者、タクシー運転手、東大生、「鬼滅の刃」のコスプレイヤーなど様々な人たちが登場。暗い気持ちになることが多かった2020年の鬱憤を、年明け早々笑いで浄化する!


ひとりのオードリーファンとして、そしてテレビが好きな学生として、年末年始のオードリーの特番はできるだけこの「テレビ屋気取り」で取り上げようと思っています。

なかなか追いついていませんが、今回もその一つです。




コントって面白い!


率直な感想は
「やっぱりコントって面白いな〜」
です。

漫才かコントどちらが好きか聞かれたら、漫才を選ぶような人間ですが、それは単にコントをそれほど見てこなかったからだと思います。

ここ最近はコント番組がまた増えてきて、この番組もその一つだと思いますが、自分が幼い頃に見ていた「めちゃイケ」や「はねトび」「ピカルの定理」がなんであんなにも面白かったかが、今になって少しですがわかったような気がします。


この「喜怒哀ラフ」は、視聴者に聞いた身の回りの”困ったさん”に関するエピソードをもとにコント師たちがオリジナルコントを作るという形式で、世の中の人たちが経験したエピソードに思わず共感してしまうような”あるある”要素もあったような気がします。

ただ、序盤のずんやアルピーはオリジナル要素が強すぎて、「これは”あるある”なのだろうか…」と少し疑問に思いました。




オードリー×素人=∞


今回一番面白くてすごいなと思ったのは、
エピソード提供者との中継システム
です。

1本目のタクシーのコント終わり、クセのあるおじさんが出てきたな〜と思ったら、まさかの困ったさんに手を焼いたタクシードライバーさんの方でした。

「どうしてもこのおじさんを出したかったんだろうな〜」と思い、このシステムの意図を勝手に感じていました。


この中継システムを見た時、「オドぜひ」を思い出しました。

”リモート”というのがテレビ現場での壁になっているように感じる人たちもいるかもしれませんが、「オドぜひ」においてはむしろプラス要素になっているような気がします。

画面の向こうにいるのは素人さんで、住んでいる家や部屋のタイプもバラバラで、背景にはたくさんのネタが転がっています。

「オドぜひ」はスタジオでも素人さんが登場した時、大体見た目イジリから始まります。リモートになってもそれは同じで、むしろスタジオよりもイジりやすいネタが増えたから、オードリーさんがそこに注目していて、見ていてめちゃくちゃ面白くなっているなと感じます。

ラジオトークでも言っていましたが、
生放送かと思うくらいのテンポの良さでオードリーさん(主に若林さん)から質問が飛んできます。

これは僕が「オドぜひ」を見ていてずっと感じてきたことです。

テレビなので編集すればテンポよく見せることなんて簡単ですが、オードリーさんはその必要がないような気がします。(あくまで”ただの”視聴者の感想ですが…)

相手が打ち返す頃には次の球種が決まっていて、オードリー2人のサイン交換なしに次々と緩急ある投球が繰り出される。

これがオードリーさんの年末年始特番の数に表れているのではないかと思います。(生意気ですみません…)






振り切る難しさと絶妙なバランス


今回番組を見ていて最初の方に感じたのは、
”あるある”を共感しあう番組に振り切りたいのか、ゴリゴリのコント番組に振り切りたいのか、果たしてどっちなんだろう。
ということです。

別にどっちかに振り切らなければいけないというわけではありませんが、大体の番組はどっちに振り切ることもできず、中途半端な形になってしまうことが多いように見ていて感じます。

でもこの「喜怒哀ラフ」がすごかったのは、
絶妙なバランスで”何も残らない”番組になったことです。

番組のコンセプトとして、
ストレスをコントに変えて笑いで浄化するものの、ストレスを解決するわけではない。
ということで、

”何も残らない”という番組の方向性が、出来上がりにも強く反映されたのかなと感じました。


以前若林さんから
企画や演出はシンプルであるべき(いろいろ走らせちゃいけない)
ということを教えてもらいました。

「喜怒哀ラフ」は、コントVを見て、スタジオでトークして、一般人ともリモートで絡んで…

最初は「いろいろ走らせすぎなんじゃないか?」と見ていて勝手に感じていましたが、全部がうまく回っていて、それぞれに笑ってしまったポイントがあって、見ていてずっと楽しかったというのが正直な感想です。


批判的に番組を見て、
「自分ならこうするな〜」という考え方を持つことを自分に課しているのですが、今回はどう頑張ってもそれが思いつきませんでした。
完全な勉強不足です。





媚びるわけじゃないけどMCに寄っていく大切さ


僕は「オドぜひ」から、
「オードリーに媚びない大切さ」
を学びました。

オードリーのオールナイトニッポンを聴いているテレビのスタッフさんは、ラジオの小ネタを番組に反映させたり、キャスティングを寄せにいったりしがちです。

でも「オドぜひ」は一切それがないと見ていて感じます。
(あくまで個人的な感想です)


今回「喜怒哀ラフ」がどういう意図や経緯で企画されれたかは分からないので、あくまで私個人の推測に過ぎませんが、

ラジオトークの冒頭でも言っていたように、
スタジオのパネラーメンバーは、オードリーさんにとっても番組にとっても盤石な布陣だと感じました。

MCがやりやすい環境というのはもちろん大事で、それを考えたキャスティングだったのかはわかりません。

あとリモートシステムが「オドぜひ」からきているものなのかもわかりません。

春日さんの命名のくだりが、「激レアさん」に由来しているのかもわかりません。

他と被らないように作り上げていくのがテレビなのかもしれませんが、やっぱり出演者の方たちが他の番組で積み上げてきた良さを取り入れるのは大切だと思いました。

ラジオトークの終盤、
薮木さん(プロデューサー・演出)が若林さんに
「お笑い番組だった?」
と聞く場面がありましたが、

演者の方がやりたいことと自分たちがやりたいことを実現させるために、制作の方たちは動いてらっしゃるのだとわかり、勉強になりました。




ラジオでテレビを語る



”ラジオでテレビの番宣をする”という新しい形のおまけコンテンツだったように感じますが、

こういう風にマニアックな部分を語るコンテンツというのは、やっぱり音声で聴いているだけでもワクワクします。

今はいろいろな番組が、地上波の本編以外の”おまけコンテンツ”に力を入れていて、YouTubeでの動画公開やSNSでの連動企画など、新しい視聴者を取り込もうとする動きがあります。

一方、今回のようなラジオトークはそういう意味合いはないと思います。
これを公開することで、ゲストのみちょぱさんや田中樹(SixTONES)さんのファン層を獲得することは考えられませんから。

それでも、これを聞いて「この番組面白そうだな」と思って、本放送を見た人は多くいるだろうし、これを聞いたことでまた違った本編の見方ができて、同じ番組でも何回も楽しめたりするのではないかと思います。

副音声やオーディオコメンタリーとはまた違った感じで、テレビの裏側(クリエイティブな面)を知ることができるコンテンツ

そしてそれが音声だけのラジオというのが、新たな表現方法の一つとしてとても勉強になりました。




まとめ


長々と偉そうな文章になってしまいましたが、
自分が普段見て考えていることと、現場の方たちが考えて作ったものがリンクしているような気がして、勝手に少し嬉しくなりました。

ぜひ第2弾の放送、そしてレギュラー化が実現してほしいと思いました。

面白い番組をありがとうございました!


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2021.01.04 作成

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