ミスタープー

　僕はミスタープー。アメリカ生まれアメリカ育ちだ。僕が生まれたのは広大なトウモロコシ畑の中の家だ。小さい頃から甘やかされて育ったんだ。いつも頭をなでなでしてもらってたよ、うん、まあ僕はかわいいからね。イタズラもたくさんした。ローズ先生のスカートもたくさんめくったし、トウモロコシだって、何回も盗んでは食べたさ、でもいいんだ、ここは自由の国アメリカだからね。今は、空港にいるんだ。なぜかって？パパとママがホームステイを受け入れるらしい。ジャパーニーズなんだって、ジャパンのことなんて全然知らないや。あ、でもイチローは知ってるよ。当然だろ、彼はスターさ。あとは、、、忍者かな。今でも日本には侍と忍者がたくさんいるんだろ？まあ、間違っててもいいさ、想像するのは自由なんだから、ましてやここは自由の国アメリカだよ。誰にも邪魔されずに想像できるんだ。ジャパーニーズが来たら、僕の部下にしてやるんだ、プールの暇つぶしとか、宿題をやらせるんだ。ローズ先生には秘密だよ。あとは、少し日本語を教わってあげようかな。一回くらいは行ってみたいし、スミスに日本語ができるところが自慢したいからね。あれ、そうこうしたらジャパーニーズが来たみたいだ。女の子なんだ。肩ぐらいの髪で、綺麗な格好をしているな。優しそうだ。あ、頭なでなでしてくれた。すごく柔らかい手だなぁ、頭越しでもわかる。決めた、彼女に僕を好きになってもらおう。簡単さ、なんだって僕はかわいいからね。それにここは自由の国アメリカなんだから。