全銀ネットのシステム不具合、素人目線だとなんかスゴい
全銀ネットのシステム不具合に関するニュースは、素人目線からすると、さまざまな驚きに満ちています。
まず、この「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」は、全国の銀行間のオンライン取引を可能にするもの。これにより他行への振込を容易にするのですが、稼働開始したのは1973年4月9日! なんと今から50年も前のことなんですよ。
インターネットの普及に大いに寄与した、Windows95の発売は1995年、iPhone3G の発売は2008年ですから、どちらの歴史も30年未満。それらのエポックメーカーよりも全銀システムは、20年以上も前に登場した大先輩ということになります。
しかも、この全銀システムは稼働以来、一度も不具合を起こしていません。今回の不具合も、システム本体に起因するものではなく、一部の銀行とのやりとりを行う中継コンピューター(RC)のシステム更新に伴って発生したものなんだとか。
そのため、影響が及んだのは、三菱東京UFJ銀行をはじめとする11行のみ。その他の銀行には、基本問題がないという状況です。
ここまで信頼性が高い全銀システムも、現在のものは第7世代。処理能力の向上と設備増強を繰り返してきましたが、利用コストが高止まりしていることが問題視されています。
そうした流れを受けて全銀ネットは、2027年を目処にまったく新しい第8世代の全銀システムへの置き換えを予定しているとのこと。その矢先に、こうした不具合が起きたのも、なかなかの奇縁といえるでしょう。
10月11日正午現在、まだまだ復旧の目処は立っていません。今回の事象で、切実な状況に置かれた方には申し訳ありませんが、このシステムの過去と未来に興味津々です。
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