見出し画像

解消されないミスマッチ

2024年ももう1/6が過ぎようとしている。いつもより1日多いと入っても早くも過ぎ去ろうとしている2月を振り返ると、ミスマッチ、これを実感した毎日だった。


天候や自然環境に大きく左右される私たちの仕事は、お客さんの要望との解決できないミスマッチの連続だ。お客さんが欲しいタイミングで商品がないなんてザラで、私たち水産物の流通業者は、漁師さんたちが獲りに行ってくれなければ商品は手に入らないし、天候が味方してくれなければ漁師さんたちも仕事に出かけることができない。そうやって自然という逆らえない相手に服従しながらの日常だ。


当然のことだが、天然資源について言えば、人間が食べたいと思うタイミングでその欲が叶うかどうかは、その時の自然状況にお任せすることになる。自然という大きな存在を相手にして人間の力や工夫で叶えることのできるものばかりではない。それに加えて、頑張って解決するよりも我々があちらに合わせるのが当然であることを年々強く実感するようになっている。少々強い表現かもしれないが、力尽くで解決するのは間違っている、とも常日頃考えている。
これまでの自身の会社の仕事の仕方を振り返っても、周囲の同業を外からではあるが見ていても、我々流通側は、というか自然資源を扱う側は、消費者の都合に合わせすぎてはいないか?と思う場面が多々ある。それが過剰になることは、大切な優先順位を狂わせてしまうというか、自然の優位性を忘れさせてしまう流れも助長させるようで、いかがなものか。自然からの産物をいただく立場として、人間が自然に合わせる側である、食べるタイミングを自然に合わせてくださいね、という当たり前を伝染させていくことも我々の仕事なのだろう。


とはいうものの、食べたいタイミングで自然資源が手元に届くことを強く望むお客さんがまだまだ多いのも、望まれるタイミングで提供できなければ商機を逃しなかなか商売にならないというのも事実で。困ったものだ。


震災を機に以前にも増して不安定になった水揚げが、ますますお客さんとのミスマッチを起こしているのを痛感している今年も早2ヶ月。色々なことが回復、復旧していくのを楽しみにしながら、忙しかったはずの時期に忙しくしきれないまま、今シーズンも繁忙期が終わろうとしている。なんとなくの消化不良を感じつつ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?