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雲をつかむような話

一番遠くて近い国、アゾット
ここの住人は、「記憶」を「忘却」するのがはやい
そのため「永遠」に「繰り返す」
一枚のレコードのように------

私の記憶力はとても頼りなく
人の名前、顔、読んだ本、観た映画、昨日のニュースにあの子の噂
すべてをぼんやりと、もしくはしっかりと、忘れてしまいます。
10年前のブログを読み返し、当時読んだ「らしい」本の感想文を
なぞっていたのですが、これが半分以上記憶にありませんでした。

せっかく読んだのに、もったいない?
何度でも新鮮な気持ちで読めて、ラッキー?
少しでも人生の糧になっていればいいのですが。

糧。
活力の源泉。豊かにし、また力づけるもの。
本を読み終えると絵が描きたくなります。
そういう意味では、私にとって読書は、糧になっているのでしょう。
ただし、すぐ忘れてしまうので、何度も読み返す必要はありそうです。

繰り返す。ページを。くりかえす。
そう、アゾットの国の人たちのように。
もはや自分はアゾットの過客などではなく……、。

クラウド・コレクターはハードカバー版が先に出版されており
そちらはカラー写真満載だそうです。
自分が読んだのは手帖版だったので、数点のモノクロイラストとともに、
想像力を使う、という楽しみ方ができました。
こちらを最初に読めて良かったのかもしれません。
ハードカバー版の単行本は絶版ということなのですが、古本屋さんなどで手に入れたいと思います。
アゾットの21の酒壜を眺めるのが楽しみです。

今年は生活に「字」を取り入れていく年にしようと思っているので、
読書を自分なりにやっていこうと思っています。
どうせ読むなら、自分の本棚の中身を再読していこうかと。
アゾットの国民よろしく、すっかり忘れてしまっているので。

忘れて「しまって」?
忘れたことが悪いことなのか、それも確かめてまいりましょう。

そして読み終わったらnoteに書くことを忘れずに。
未来の自分が、また忘れた頃に「繰り返し」確認しに来るでしょうから。

クラウド・コレクター<手帖版>
著 クラフト・エヴィング商會
今年一冊目の本でした。

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