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2023/11/8 4時間授業は帰りが早すぎ

 地域のパトロール当番のため、ペアの方と朝8時に待ち合わせ。パトロールと言っても、家の周辺をぐるぐる歩きまわるただの散歩だ。『子供の中学どうする問題』を、近くの公立で全然構わない、という前提のもと話す。近くの公立中学は雰囲気も良く学力レベルも高い。何ら問題はないのだが、公立だと内申点での評価になるため、学力が高い公立中学の中で良い内申点を取るのが大変、なのだそうだ。
 私が通っていた中学は、不良や不良ぶっている子だらけで荒れ放題だった。ああいう学校だと、真面目にやっているだけで内申点が取りやすい、という事なのか。
 このまま行くと、娘はきっと美術系に進むと思うが、子供には好きな事ばかりをやらせていればそれでいいのか、わからない。私は高校に行くときも、高校3年の現役受験生の時も、本当は美術系が良かったけれど全くそれは聞き入れてもらえなかった。あの時すんなりサポートしてもらっていたら、今はどんな事をやっている人間になったんだろう。

 4時間授業の娘が午後すぐに帰ってきてしまった。帰ってくるなり床に座り込んで、携帯見つめて何かやっている。
「ねえねえ、ママはどれが好き?」
と見せて来たのは、lineスタンプメーカーで作ったスタンプのシミュレーション画面だ。我が家の可愛い犬や鳥たちの写真の上に、言葉が重ねてある。
『明日死ぬと思って生きなさい。永遠に生きると思って学びなさい』
『夢を見ることができるなら、それは実現できる』
『99人に合う靴だって君に合わなきゃ意味がないんだ』

(なんなんだ、この使いにくいスタンプは)。
たじろぎつつも、
「帰ってきてからずっとコレを作っていたんだ。んー、ママは”明日死ぬと思って生きなさい”かなー」
と、適当に答えた。
 

 娘の水泳の付き添いで体育館に行く途中、
「ああいう格言みたいなやつ、自分もその言葉の通りにしてみよう、とか思わないわけ?」
と聞くも、全然自分は関係ない、と首を振る。なんなんだ全く。勉強しろよ。
 娘が徒歩、私が自転車のため、よろよろのゆっくり運転をしていた。裏道だから車も通らない。見通しの良い角で、右からママチャリの30-40代の普通の女性が向かってきた。渡れる、と判断して娘とよろよろ渡っていたら、思いのほかその女性が全くスピードを落とさず、突進してくるではないか。
 「あぶなっ」
去り際に女性が割と大きな声を残し、猛スピードで向こうに消えた。
はぁ?
「危ないのはお前だろうが」。そう言ってやりたい気持ちでムカムカするも、相手はもういない。普通の顔をして普通じゃない事をする嫌な人ってたまにいるよな、と気持ちが暗くなる。
 16年くらい前に、友達に勧められて無理やり連れていかれた、マインドコントロールみたいなセミナーの事を思い出した。朝早くから夜まで、何日も続くスパルタセミナーに15万も払って、あの頃の私はお金と時間が余っていたんだなぁ、なんて事しか思わないけれど、一つ良い事を教えてもらった。
 
『すべての人は、その人が主役の劇場で演じているだけです』
だから、その人の劇場であなたはわき役、その人はその人の役をやっている。嫌なしゃべり方をする人はそういう役をやっている。ただそれだけ。

 さっきの人は、自転車のスピードを落とさない劇場の主役だったんだから、登場人物じゃない私には関係ないしすぐ忘れよう。そう思った。

帰りに図書館に行き、スーパーに寄って、夕食の前にさっき借りてきた玉村豊男さんの本を開く。玉村さんは荻窪の方で、隣の公立中学だし、近所の公立高校に行き、東大に行っている。うちの娘もこんな風に上手くいって欲しいものだけど、そうはいかない感じは既にむんむん漂っている。

犬用に買った、ウレタンの階段をソファにつなげた。
(なにこれ、怪しい、乗ってもいいの?) とか犬は全然思わないらしい。なんのためらいも無く、さくさく乗り降りしていて嬉しい。



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