![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86046429/rectangle_large_type_2_1aff009a77a66f909d65d3ec5b4004a1.jpeg?width=1200)
古書店の敷居は高い
近所に古書店があるのだけど、一回も足を踏み入れたことがない。
なぜか古書店への敷居は高い。
古書店の店主は、まさしく本のプロという気がする。
相応の目利きができなければ、ネット書店全盛のこのご時世、生き残ることは難しいはずだ。
生き馬の目を抜くような古書店業界。
彼ら彼女らの手は血に染まっている。
そんなプロを目の前にして、悠々と本を選ぶ度胸がぼくにはない。
絶対にこちらが客としての値踏みを受けているはずである。
軒先に出している棚に目を向けようものなら、おそらくアウト。
素人としての誹りを免れない。
店主の「喝」がぼくを射貫く。それは声なき喝。
ぼくの知らない不文律が古書店にはあるのだ。絶対に。
おいそれとレジに向かってはならない。
その店の古書を手に入れる資格があるのは、店主の審美眼を解した人間だけだから。
まだまだ実力が足りない。
きっとぼくは今日も古書店を通り過ぎる。
通り過ぎた敷居を野良猫がエサを求めてまたいでいく。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?