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虫の話その1

この地球は、昆虫の星だって知ってましたか?

地球上の生物は870万種と言われていて、そのうち、昆虫は100万種いると言われています。地球上の生物の7~8割が昆虫なのです。

そんな、昆虫の惑星に、私たちは暮らしているのですから、家の中にアリが入ってきたり、ハエや蚊がきても無理はないですよね?(人間にとっては迷惑ですが)

そんな昆虫の惑星で、昆虫を観察してみると、それはそれは面白いのです。

庭のサンショウの木に毎年アゲハがやってきます。

今年も5匹ほど見つけて、家の中にサンショウの葉っぱごともってきて、さなぎを作り、蝶になるまでを観察しています。

今年はカラスアゲハと、ナミアゲハの幼虫を発見しました。

こちらがカラスアゲハの幼虫で、ちょっぴり緑色がかっています。

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下の黒白模様がナミアゲハ。いわゆる、よく見るアゲハの幼虫。

どちらも、最初は鳥の糞みたいな姿に擬態しています。

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四回脱皮を繰り返すと、ドロッとしたウンチをして、さなぎになる場所を探すために、サンショウの木から離れて脱走します。

この子は、おチビちゃんを背中にのっけて脱走!

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そうなったら、どこか、さなぎになる場所を決めてさなぎになります。

こちらはカラスアゲハのさなぎ。

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こちらはナミアゲハのさなぎ。立派です。

ざらざらした茶色い木でさなぎになったのは茶色に。割りばしでさなぎになったのは緑になりました。

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アゲハがさなぎになろうとする場所の照度(明るさ)を、おなかと背中の明るさの差によって、茶色いさなぎになったり、青いさなぎになったりするらしいのです。※アゲハチョウ類のさなぎの色彩決定機構

自然界の中で、保護色になることで生き残る知恵ですね!

さなぎは、羽化の前日になると、中の羽が黒く透けて見えてきます。

こうなったら、翌日の早朝には羽化します。

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そして、最後、さなぎから帳になる五回目の脱皮をして蝶になったカラスアゲハ。ほんとに美しい。

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芋虫からさなぎになり、さなぎの中では、目や、重要な器官をのぞいて、いったん体がクリーム状にどろどろになっているんだそうです。そして、蝶の体に再形成される、完全変体。すごいな~と、感動してしまいます。

学校に持って行ってたナミアゲハも羽化しました。

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ところが、さなぎの色が変わった、茶色と緑のあのさなぎ。

こんなきれいなアゲハが出てくると思って楽しみにしていたら、なんと、出てきたのはハチ!!

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なんと、アゲハヒメバチ!!アゲハの幼虫に卵を産み付け、さなぎになるまで生かしておいて、さなぎの中でその体を食べて成虫になる、エイリアンのような寄生バチ!自然界ではいろんなことが起こります。さなぎの中は空っぽです。

でも、そもそも、寄生した青虫だって、自然界では鳥に見つかって食べられてしまうリスクはあるわけですから、なかなか成虫になれない昆虫なのかもしれませんね。

そして、さなぎの色の違いで保護色の話をしました。

保護色と言えば、声はすれども姿が見えない昆虫と言えばセミ。

こんな姿をされてたら、そりゃあ見つかりませんわ。

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声の主を探して、絶対ここにいるはずだと、木をぐるりとまわると、横からようやく姿を現しました!ヒグラシです。このへんでは、夕方になると、カナカナカナ~と鳴きます。この声を聴くと、夏の夕暮れ時だな~と感じます。

こんな昆虫たちも、自然界の中ではなくてはならない存在です。

アオムシは、サンショウの葉っぱを食べてフンをします。アオムシの糞なんて、大した量じゃないかもしれませんが、フンは土にかえります。そして、鳥にとってはおいしい餌となります。成虫になると、花粉をつけて運ぶ運び屋になります。動けない植物にとっては、受粉してくれるありがたい存在です。そして、死んだ体はもちろん、土になります。

虫って、いやなものと思っている方も多いかもしれません。でも、それは人間にとってそうであるだけで、自然界の中ではなくてはならない存在です。昆虫たちがいてくれるお陰で、土は豊かになり、植物は実をつけ、次の世代へ種を残すことができ、緑豊かな星でいられるのです。



読んでいただき、ありがとうございました!お話しに共感していただいて、子ども達の居場所のために、ほんの少しでもサポートしていただけたらとってもとっても嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。