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Pour acheter des vêtements

家にいる時間はリビングで通信教育の課題をやるか、部屋で本を読むか、ランプとなにもしないでいるか。テレビをつけながら課題を広げて、合間に夕食を済ませると、10時頃には父親が帰宅する。後片付けはやったりやらなかったりである。
ニュースの音声をあげてソファで父と話したり話さなかったり。父はその場でうたた寝をしたり、しなかったり。
「がんばったな」
父はそう言って小遣いを渡してくれた。
模試の結果はA判定だったが、一過性でも安心材料には違いない。
受験予備校には行っていない。合理的かつシンプルに。模試は学校で、通信教育は自宅でできるるというのがよかった。
「明日休みか?」
「うん」
「明後日は?」
「出かける・・・」
父が「へえ!」と声をあげた。
「どこへ?」
「ライブ」
その後はなぜだか質問攻めだった。父は色々なことに詳しくて、楽しくしゃべることができる。忙しいのはそのせいなのだろうと思っている。努力は最小限に、かつ嘘がないように。
「ついでだから、服を買うか?」
40代で少し疲労を感じさせるがまだ若い雰囲気に、この人の息子であることが不思議に思えた。
この週末は母も一緒に買い物へ行くことになった。母は明日車で迎えに来るらしい。

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