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サチコ、東京のサウナに行く② 「サウナ錦糸町 レディースデイ」

こんばんは。サウナのサチコです。今日は百合子じゃなくて、サチコリポートです。なぜなら今日の記事はミラクル続出で、書きたいことがたくさんあるから。こういうときは、百合子目線で書くと非常に面倒。百合子のその後の物語を期待されていた方(特に伸さん←名指し)ごめんね。次回の投稿は百合子担当ですから。

さて、そのミラクル話を早速始めましょう。今日は飛ばし読みせず、できれば最後の最後まで読んでくださいね。いろんな出来事が絡み合っていますから。

皆さんはサウナ錦糸町をご存じですか。私は名前だけ聞いたことがありました。だってスカイツリーが見えるあたりには銭湯やサウナがたくさんあるので、覚えきれなくて。でもインスタのフォロワーさんであるCO2さんが、ある日サウナ錦糸町について投稿されていたんです。そしてそこが120度のサウナだと聞いて、私は俄然「行ってみたい!」と思いました。でもすぐに男性専用サウナだと知りガッカリ。CO2さんのコメント欄にもそう書き込みました。

するとそれを読んだこれまたフォロワーのあまみサウナさんがダイレクトメールで私に、「11月8日にレディースデイがありますよ」と教えてくださいました。これがSNSのチカラか!と感動しながらサウナ錦糸町のインスタを見てみると、何と「水着持参で」と書いてあるではありませんか。 ここは屋上にもサウナがあり、そこでは水着を着るようになっているんですね。でも私、水着なんてもう何年も着ていないので持っていません・・・。CO2さんに聞いたらこれがいいと教えてくれました↓

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はい。

そこで私はもっと具体的な水着の情報が欲しいと思って(co2さんごめんなさい)、私にサウナを教えてくれた師匠に聞いてみました。テントサウナも経験済みの師匠は、スポーツタイプのセパレート水着の写真を送ってくれました。よし、わかった。早速私は大宮のスポーツ店へ。しかし行ったところが大宮だったのが行けなかったのか、季節的に無理があったのか、競泳用の水着しか売っていません。お店の人も「サウナの水着・・・ってあるんですか?」と首をかしげるし。もうこうなったら競泳用か、スクール水着を着るしかないか・・・。

どっちも嫌なので仕方なくネットで探して買いました。試着できないし返品できないから不安だったけど。

水着の話が長いよ!と思うでしょ。これもちゃんと後の話に繋がるから待ってて。やーね、せっかちな男はととのわないわよ。

11月8日(日曜日) まあまあ晴れ。


AM5時半に朝ごはんを食べて(いつもそうです)、レディースデイが始まるAM10時きっかりに錦糸町駅に着くように電車に乗りました。サウナ錦糸町はホームページによれば駅から2分。が、実際に着いたのは10時15分。なぜってあなた、決まってます。

迷ったんですよ、また。

駅から2分のところでも迷う自分がわからない。

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渋い。

せっかくのレディースデイの看板が見えにくくてごめんなさい。「修羅を極めし女達」と書いてあります。こちらに着いた頃にはもうとっくに受付が始まっていて、人が動いていました。それでもまだ10人くらい受付の前に並んでいます。その女性サウナーたちの最後尾に、私も並びました。するとどこからか「水着をレンタルしたいのですが」という声が。

耳を疑いました。水着ってレンタルしてるの? もー早く言ってよ〜。季節外れで流行遅れの水着をネットで買った自分が悲しい・・・。

レンタル水着を受け取ったそのサウナーは、スタッフさんから「サウナ錦糸町公認 新プロライセンス」たる革製のキーホルダーをもらって、「いい番号をもらいました」と喜んでいます。「30番」だそうです。彼女が30番と言うことは、1、2、3、・・・と自分の前に並んでいる人を数えて行くと私は・・・36番。

がーん。

惜しい。惜しいよ私。そこへ私の後ろに並ぶ人が。綺麗な女性です。この人、綺麗な上に37番をゲットするのか。ずるいよずるいよ。

もし今ここで私がお腹をおさえてトイレに駆け込み、すぐに出て来てこの美人の後ろに並んだら、私は37番になれるんじゃないか。そこまで腹黒い想像もしました。でも「30番」で喜んでいるサウナーの手に握られたキーホルダーには「PROFESSIONAL SAUNNER」のピンクの文字。そうだ私はプロサウナーなのだ。正々堂々生きなければならない。いいよいいよ、37は美人のあなたに譲ろう。

さぁ、待ちに待った私の番が来ました。

サウナガーデンには朝からテレビ朝日が入っていると聞いていましたので、「写っちゃたらどうしようかな〜」なんてニヤニヤしながら「サウナガーデンからお願いします」と堂々と申告。屋上のサウナと室内のサウナとでは、使用するロッカーが違うそうなのです。するとスタッフさんが、

「申し訳ありません、今もう、サウナガーデンの方がいっぱいで」と、本当に申し訳なさそうに言いました。

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(注)スタッフの方は別にモヒカンではありません。

がーん。

サウナの神様は、私から何もかも奪うつもりか。

いやいや私はプロサウナーだった。いいよいいよ、サウナガーデンは後にする。みんな先に入っていいよ、とここでも幸運をみんなに譲ることにしました。そしてこの日1番の笑顔で(まだ朝だけど)「そうですか。それではサウナの方からお願いします」と答えました。

スタッフさんが館内着やタオル一式を渡してくださり、最後にキーホルダーをくださいました。きたきた36・・・

ん? 

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ん?ん?

注)スタッフの方はタナカカツキさんでもありません。

これは・・・

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37!!!!!


おかしいぞ。私は36だったはず。もしかして35の次は37が3回くらい続くの? いや、明らかに私の数え間違いだ。前にいる人の数を間違えたんだ。こんなところでまた失敗するなんて。私はなんて、なんて、

ラッキー♫

そうして私は多くのサウナーが欲しいであろう、37を偶然、いや必然で手にしたのでした。自分らしく道に迷ったおかげ、プロサウナーらしくトイレに駆け込む小芝居をしなかったおかげです。でもここで喜んだら、後ろにいるサウナーたちにそっと水風呂に沈められるかもしれません。プロサウナーは平然とカバンにそれを奥深く仕舞い込み、右手と右足を一緒に出しながら脱衣所に向かいました。かなり興奮していたので、もらったロッカーナンバーと違うロッカーに、ずっと鍵を差し込んでいました。

やっと真っ裸になって、

室内のサウナに向かいました。目の前には大きな水風呂! いえ、水風呂しかありません。お風呂はどこかと探すと、階段を数段降りたところにラドン風呂(綺麗なルビー色)があるだけ。

ここ、本気だな。

サチコ、戦う体勢がととのいました。

体と髪を洗っていざ噂の120度のサウナへ。ドアを開けたらそこは、ほぼ満席状態でした。そりゃそうだ。10時15分の時点で37人いたわけですから。一番下の席が空いていたので座りましたが、ここはそれほどの熱さを感じません。私でもイケる。ちょっとホッとしてあたりを見渡すと、半数はサウナハットをかぶっている本気の人たちばかり。知り合い同士も多いらしく(サウナイキタイ仲間だろうと推測)、こそこそ情報交換しています。聞き耳をたてる私。すでにサウナガーデンから戻った人が「あまり熱くなかったから、みんなずっと中にいて出てこないよ」と言っています。そうなの?

テレビ朝日がいるからみんな出てこないんじゃないの?と、また黒い考えが浮かぶ私。

一方こちら120度のサ室でも、上段にいる人たちがサ室を出ると、下段の人が上段に移動するというローテーションが延々と続いています。私も一番上に移動してみました。

死ぬ。

乾いた体ではとても耐えられないほど、ピリピリを通り越してビリビリします。テレビの脇で大きく傾いた時計が「お前に12分は無理だ」と言っています。ええ、無理でした。

汗を流して大きな水風呂へ。水風呂にはなぜか人がおらず、上から水が降り注ぐシャワーの下に座りました。

気持ちいい。

なにこれ。すごく気持ちがいい。変な声が出そうです。

ととのい椅子は一つしかなかったので、カランの前に座ってぼんやり外気浴。鏡に映る自分がすこ〜し歪んで、

きたきたきた!

ととのいタイムです。私はどうも1セット目が一番ととのうようです。テキストから外れるのが私の人生だもんね。それでも計3セットを楽しんで、ようやくサウナガーデンへ。

受付でロッカーキーをもらい、エレベーターで5階へ。怪しい青緑色の光の中で着替えます。これからストリップショーに出る気分。面白い。早速買ったばかりの水着を取り出して頭からかぶりました。そして後ろに手を回してホックを、ホックを・・・あれ? どうしてもホックがとめられない。これじゃ、この間私が投稿した百合子と同じになってしまう。

なんども格闘するのですがどうしてもできません。手が届かないのではなく、ホックが留められないのです。ホックは横に引っ掛けるタイプではなく、上下にスライドさせるタイプ。男性にはわからないかもしれませんが。

そうだホックを先に留めてから、そのまま被ればいいんだ!と思いついて試してみますが、それも難しい。一体どれくらいの時間が経ったのか。2、3人が私の横を涼しい顔で通り抜けて行きました。後ろのホックが外れたままロッカーの鏡の前で呆然とする私。何かの動物にたとえようと思うけど、それもできない。虚しい気持ちでぼんやり振り返ると、楽しそうに着替えている二人の女性が見えました。「あの・・・」話しかけてみますが聞こえないようです。

「あの、ホックをとめていただけませんか」

サチコ、勇気を出して大きな声で頼みました。男性にもこんなの頼んだことないのに。女性は「いいですよ」と快く留めてくださいました。「あらー、これは後ろから留めるのも結構難しい」と言われて、なんでこんなの買ったんだろうと激しく後悔しました。黒でスポーツタイプだし目立たなくていいなぁと思ったんです。

しかしよく見るとホルダーネックでありながら、真ん中の胸元がちょっとだけ開いているという、余計な演出のある水着でした、家に届くまでそんなの気がつきませんでした。レディースデイになにを準備しているんだ私は。

ようやく水着に着替えてサウナガーデンデビューした私は、もう嬉しくて。7人入ればぎゅうぎゅうのサ室にマックスの7人。

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写真は便宜上4人ですが。

ちなみに屋上の雰囲気を出すために、我が家のベランダの室外機の上で撮影しています。後ろの赤いフタは、洗濯バサミが入っている箱のフタです。

テントサウナもこんな感じなのかな〜と思いながら、あれ、やっぱりちょっとぬるい? 他の方も同じことを思っていたようで石に何度も水をかけて蒸気を出すのですが、うーんやっぱり体感として70度くらい? 一番下にいるからかな。いや次々に人が入ってくるので扉の開閉が多く、なかなか室内が熱くならないようです。

すると一人の女性がすっくと立ち上がり、「ちょっといいですか」とたっぷり石に水をかけた後、持っていたフェイスタオルで、中にいた一人ひとりを仰ぎ始めました(上の写真参照)。

な、何をいきなり。でも、でも、

すごい・・・!

急に熱が室内を回り始めました。彼女の仰ぐ小さなタオルから、いい風が送られて来ます。

熱い。熱いよ。

さらに彼女は、自分もこんなサウナが欲しいとか、屋上のある部屋を探してるとか、ここの石は下から熱を加えているからすぐに乾くし、ずっと熱くていいですよねとか、いろんなことを話してくれました。私はちょっと感動していました。彼女の勇気とサウナ熱に。彼女がサ室を出るときには思わず皆が拍手していました。ロウリュだ。まさしく小さなサ室の中で、ロウリュを体験した気分でした。

興奮冷めやらず、彼女を追いかけて私も一緒に水風呂へ。

「ありがとうございました。すごく熱くなりました」そう声をかけたら「足元をもう少し熱くできたらよかったんだけど」と彼女。もうサウナを愛し抜いているんだなと、また感動する私。

彼女を見送って、私は一人水風呂に体を沈めました。プールでできた大きな水風呂は冷たくて、小学生の頃を思い出しました。たまに体育の時間に、こんな冷たいプールに入ったなぁと。そしたら小学校の担任の先生の顔も浮かんで来ました。確か国語の授業でたった一人しか手をあげなかった時、その先生が言ってました。

「最初に手をあげる人はすごく勇気があるよね。でも2番目に手をあげる人も同じくらい勇気があるんだよ」

って・・・。何でこんなこと思い出したんだろう。

2回目にサ室に入った時、先ほどのような勇気のある女性サウナーはいませんでした。中はそこそこ熱くはなっていましたが、彼女がいた時の熱さほどではありません。そうかこれだ。先生は私に言っているのです。「サチコさん、あなたが2番目になりなさい」と。

私はタオルを掴みました。足に力を入れて何度も立ち上がろうとしました。ここにいるみんなのために。でも、でも・・・。

先生、私やっぱりまだ2番目にはなれない・・・。

すごすごとサ室を出て水風呂を経て、外気浴へ。寝るタイプのととのい椅子が3つありました。スタッフさんが何か飲みますかと声をかけてくださったので、人生初のオロポをお願いしました。思った通りのオロナミンCの懐かしい酸味。ウンウンと一人頷きながらととのい椅子に座って飲み干す私。

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注)何度も言いますがここは埼玉のベランダです。雰囲気だけお届けします。

東京の古いビルの谷間で錆びついた看板たちを見ながら、なぜかサ道の偶然さんのように胸の奥がキューンとなりました。

なんていい日なんだ。


この後、水風呂の裏手にある「錦糸町の滝」なるものも体験し、大満足。3700円は高いと思っていた自分を殴りたい。ディズニーシーより充実してるよ。

夜、インスタを見たら、何人かの方がこの日のサウナ錦糸町について投稿していました。その中で私のフォロワーさんのかじゅお君の奥様が、旦那様のアカウントを乗っ取って(ご本人談)投稿されているのを見ました。そこにあった写真を見てびっくり。だってそれは、

「38番」の新プロライセンスキーホルダーだったのです。

はい、驚いたでしょう? 最初の話と繋がっちゃった。あの時私の後ろに並んだ美人さんだったのです。しかも美人かじゅお婦人の投稿内容からもう一つ驚くことが。覚えてますか?あのサウナガーデンで立ち上がった女性。私にフェイスタオルで熱波を送ってくださった勇気ある女性。それは、

宮川はなこさん、だったのです。

横浜鶴見にある「おふろの国」の熱波師、宮川はなこさん。私が出会ったのは本物の熱波師だったのです。ごめんなさい、知らなかった。そうかそれであんなにタオルさばきがうまかったのか。それであんなにサウナに詳しかったのか、それでみんな拍手したのか。納得納得。と同時に・・・、

私、立ち上がらなくてよかった(汗)

もう少しで一生忘れられない恥をかくところでした。時には行動しない方がいいこともある。2番目にならなくていいこともあるんだよ、先生。

とにかくミラクル続きの1日。最後に頭に浮かんだ言葉はこれ、

私は非常にラッキーである。


これに尽きます。

去年まで自他共に認める運の悪い女だった私。サウナーになってからツキまくってます。いえ、多分そんなに状況は変わっていないはず。相変わらずのドジだし、失敗だらけ、トラブルだらけ。私を取り巻く環境も体調もむしろ去年より悪くなっている。でも、今の私に見えるのは幸運ばかり。どうしてかな。

私はきっと、皆さんのおかげでちょっと素直になってきたのだと思います。だって、最初の頃のnoteを読んだらわかりますが、私は相当のひねくれ者、頑固者、ネガティブ人間です。そんな私に、今回だけでも何人のサウナーが支えてくれたか。太字にしてみました(笑)。みなさんに楽しい一日をプレゼントしてもらいました。ありがとうサウナー。ありがとうサウナ錦糸町。ありがとう、おひさまのような宮川はなこさん。

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サチコ、東京でまたととのいました。


最後まで読んでくださったあなたにも、私はいつも支えてもらっています。心よりお礼申し上げます。また必ず、どこかのサウナでお会いしましょう。

サウナのサチコより

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