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風俗の面接を受けに行った話。

大雨が降っていた。

仕事を終えて、20時。
その日初めて大塚駅に降り立った。

「駅に着いたら、電話して下さい。」
事前にそう言われていた。

道順を案内されてたどり着いたのは、大通り沿いの雑居ビル。忌々しい雰囲気が少しだけ怖かった。

事務所は地下1階。会議室のような部屋に案内され、まずアンケートのようなものを書かされる。簡単なプロフィールや経験、許容範囲などの情報を埋めた。

そして、面接が始まった。面接官は40代くらいのチンピラ風の男。話し方は優しかったけど、独特なオーラを放っていた。

「〇〇や〇〇は、オプションじゃなくて基本プレイだけど大丈夫?」

「軽めのやつは18歳くらいの子がやるもんだからね〜。」

具体的な用語が飛んでくることには、あまり抵抗を感じなかったけど、思っていたより業務内容がハードだと思った。あんなことやこんなことまでがデフォルトだなんて知らなかった。

それと、服の上からスリーサイズを測られた。なんか笑ってしまった。

心の中では『まじで無理。』
その場では「少し考えさせていただきます。」

そう言って、その場を後にした。もし働くことになった場合、このチンピラ風のおじさんにテストされるんだろうかと思ったら鳥肌が立った。

外は小雨になり、もうすぐ止みそう。なんとなく買った花柄の傘をさして、家路についた。


なぜ、風俗の面接を受けたのか?

当時は、性に対する興味関心が高まりまくっていた。友達に面白がられるくらい。日本の裏カルチャーを、一度経験してみたかったのもある。

そして、単純にお金がほしかった。たまにお小遣い稼ぎでやっていたキャバクラよりも効率よく稼げるんじゃないか、みたいな軽い気持ちがあったのだ。まあ、完全に風俗の仕事をなめていたわけだ。

偏見はないし、興味はある。
ただ、勇気と自信がない。

私はその程度の女なのだ。

なかなか人には話せないから、この話はここで供養させてほしい。ナムル

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