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かあさんは魔法つかい

ぼくのかあさんは魔法つかい
「ねんねんころり ねんころり」

そうやっていつも呪文を唱えてくれる

「ねんねんころり ねんころり」

(母親の胸の中で子供が眠りに落ちる)

「あれ?もう朝だ。さっきまで夜だったのに。」

___ある日かあさんと喧嘩した

(子供がプンスカ怒りながら大股で歩き両腕を大きく振りながらじぶんのベッドへ向かう)

「かあさんなんかだーいきらい。ひとりで寝るもん。大丈夫だもん。」

「あれ?おかしいな。ずっと夜のままだ。ぜんぜん眠くならないや。大変だ。大変だ。」

(ベッドの中で瞳を瞑りながらねんころりを自分で唱える)

「ねんねんころり ねんころり」
あれ?やっぱり寝れないや

「ねんねんころり ねんころり」
「ねんねんころり ねんころり…」

ますます目が覚めてくや
そして、だんだんさみしい気持ちになるんだ

(毛布の中、膝を両手で抱えながら心細くなる子供)

「かあさんかあさん。さっきはごめんね。ぼくにいつもの魔法をかけて。」

(母親の毛布に潜り込み腕に抱きつき甘える子供)

「ねんねんころり ねんころり」
「ねんねんころり ねんころり」

からだがどんどん沈んでいく
ぽかぽかあたたかくなって沈んでいく

(朝日が窓から射し込む)

「ああ。やっぱりかあさんは魔法つかいだ。あしたもあさってもずっとずっと呪文を唱えてね。かあさんだーいすき。」

(しゃがむ母親の背中に抱きつく子供)

- 終 -

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次回、更新日➜ 9/18(月)


またらいしゅ☡✍︎*.゚

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