妹の猫
2023年5月12日突如、猫との生活が始まった。
前日、母から連絡が来て「妹と連絡が取れないので自宅に行く、付いてきて欲しい」と言われた。
今までも似たような事が何度かあり、その度に母はひとりで上京して妹の家を尋ねていたようだ。だが、今回は初めて私にも声がかり、ただならぬ空気を感じて会社に休みの連絡をした。
細かいことは省くが、妹は自宅のベッドの上で冷たくなっていた。母と「猫はどうする?」という話になり、落ち着くまでは私の家で預かることにした。
あれから1か月。何度も家族会議を重ねて、猫は私が引き取る事になった。大きな理由は2つ。
・父が動物嫌いであること
・我が家の先住犬に猫が心を開いてくれたこと
父が動物嫌いである事には驚いた。私たちが小さい頃、猫を飼っていませんでしたっけ??我が子が「飼いたい」とねだったので我慢をしてくれていたのか?と初めは思ったが、猫と暮らしてみてわかった。
『妹を思い出すから』
気分屋なところ、不機嫌な時の目つき、甘えてくる時の愛らしさ、まるで妹そのものだ。
そして、永遠の赤ちゃんだと思っていた先住犬にも驚いた。どんなに猫に怒られても諦めず、猫の心を掴んだ。親バカだけれども天真爛漫で頭の良いチワワなのだ。
ママを亡くして、知らない家に連れてこられた猫も本当に頑張っていると思う。妹に何もしてあげられなかった分、私は猫に愛を注ぐと決めた。
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