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地域のパン屋


皆さんこんにちは、パン屋のサッちゃんです。
日本から帰ってそろそろ1ヶ月が経とうとしています

日本では、いくつかのベーカリーのパンを試す機会があって、その中で「これは、美味しい!」と思った胡桃とレーズンが入ったパンがありました。
帰ってきて直ぐに試作をしてみたら、やっぱり美味しい!

この辺りはパン屋としてのベーカリーがないので、普段はもっぱらインスタやYouTubeを見て新しいパンのヒントをもらうことが多いのですが、やはり他の職人さんのパンを試すのも大事だなと、先週マーケットをお休みして、以前から気になっていたベーカリーを訪ねてみました。

店舗を持たないベーカリーで、レストランなどにパンを卸しているようです。大量のパンをフランス人とアメリカ人の職人さん2人で焼いていました。
広い敷地に、所狭しと並ぶ大きな機材。沢山の焼き上がったパンや焼き菓子。
小売りもしているようなので、何種類か買った後、立ち話しながら仕事ぶりを見学してきました。

パンの種類、機材、規模、作り方、働き方、売り方と全て日本では見たことない物が多く
「まだまだ知らない世界が沢山あるんだなぁ…」と圧倒されました。
その後自分のキッチンに帰ってくると、自分がやっていることがまるでママゴトのように感じたんです。

「私がやりたいコトは、何だっけ?」

疑問が浮かぶようになりました。
それでも、次のマーケットの日はやって来ます。
パン屋は私の夢でもありますが、生活の糧でもある。とにかく今出来るパンを一生懸命に焼いてマーケットに行きました。

今回は12月のマーケット初日
ダウンタウンでクリスマスパレードがあるようで、沢山の見物客がパレードを観に来ています。
パレードが終わってお客さんがマーケットに流れてくると、女の子がチョコレートパンを見て
「これ、食べたい」と言っています
彼女がお財布を見るとお金が足りないようです。
すると彼女の友達が自分のお財布からお金を出してチョコレートパンを1つ買い、それを分けて食べています

Kentさんが子供達とやり取りする様子を見て、
「あぁ、これだった。」と自分のやりたいことを思い出しました。

中学生時代、部活の帰りに少ないお小遣いから買って食べたパン。
お金が足りるか、お財布をのぞきながら決めたパン。
お腹が空いて食べたあのパンは、本当に美味しかった

パン屋のおばさんに「部活の帰り?お疲れさま」なんて声を掛けてもらいながら食べたパンは、パン屋で働くようになってからも、時々食べたくなって買いに行きました。

あの地元以外では有名でもない、特別なパンはなく、種類も少なく、でも地域の人たちにめっちゃ愛され続けたパン屋
私が「こんなパン屋を、やってみたいんです」と話したら
「ぜひ、やってみなよ!お金がなかったらパン食べれば良いんだから」と真剣な目で背中を押してくれたあのおじさんは、まだ元気かな?

「次の帰国では、尋ねてみよう」
そんなことを思った12月のマーケットでした。

今日もお付き合いありがとうございます😊



#オリエント
#地域のパン屋

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