パンの保存法+テスト
今日はパンの保存についてのお話♪
ファーマーズマーケットでパンを売っていると、パンの「賞味期限」や「冷凍出来るか」と言う質問をよく受けます。
アメリカで食品を売るには“日持ち”はとっても大事なんですね。
買物地までの移動距離が長いというのが主な理由だと思うのですが、「気に入ったものは沢山買っておきたい」と考える人が多いんです。それには日持ちしないと困るので、長期保存が必要になってきます。
「Baker Sachiのパンは室温22〜23℃で3〜4日、冷凍だと2週間は美味しく召し上がれます。」とお伝えしています(一部例外あり)
日本のパン屋さんでは、“焼き立てパン”が人気なので、日持ちを気にする人はそれ程いませんでした。この辺りは地域性が出て面白いですね。
自家製酵母パンはわりと日持ちしますが、パンというのは焼き上がった瞬間から徐々に劣化が始まります。
少しでも劣化を遅らせるためには、冷凍保存がおすすめです。
大きなパンはスライスをしてから冷凍すると、食べる分だけ取り出せるので便利ですよ。食べる時は室温で自然解凍するか、トースターやオーブンの低温で温めると美味しく解凍できます。
さらにここでは蜜蝋ラップを使ったパンの保存についてのテストをしてみました。蜜蝋の抗菌作用が分かる面白い結果になったのでご紹介したいと思います。
まず室温保存ではビニール袋に入っていても、日が経つにつれ乾燥が進みます。夏場は5〜6日目辺りからカビが生えだしますが、蜜蝋ラップを使うと蜜蝋の抗菌作用がカビの発生を遅らせてくれます。
食パン(自家製酵母)を
・蜜蝋ラップ+ビニール袋
・ビニール袋だけ
の2つの方法で室温保存(20〜23℃)した時のカビの生え方を観察しました。
6日目、ビニール袋だけで包んだ(蜜蝋ラップ無し)食パンの表面に小さなカビを確認!
更にそのま封を開けず数日放置すると…。
テスト開始から10日後の様子です。
蜜蝋ラップで包んだパン(左)はビニール袋だけのパン(右)よりカビが少ないのが分かります。
蜜蝋の抗菌作用は完全とは言えないものの、菌の繁殖を遅らせる作用があるのが分かります。
次に冷凍保存ですが、こちらは室温保存より緩やかですが、やはりビニールに入れていても乾燥が進みます。
そして3〜4週間を超える辺りから、ビニールの匂いがパンに移ったり、パンの一部が白っぽくなる、乾燥でパンがパサパサと固くなる等の冷凍障害が起こります。
そこで、条件を変えて冷凍保存についてのテストをしてみました。
①ビニール袋+蜜蝋ラップに入れ4週間冷凍保存
②ビニール袋のみに入れ4週間冷凍保存
③ビニール袋のみに入れ3日間冷凍保存
上の3種のパンを自然解凍して食べ比べると、
① 全体的にしっとりとしていて、風味も旨味も充分感じられる
②全体的に乾燥していて、パンの風味が薄くなっている。ビニール臭が少し気になる
③パンの外側は多少乾燥しているものの、風味も旨味も充分感じられる
と言った、結果になりました。
冷凍する際に蜜蝋ラップ(ワックスペーパーでも可)+ビニール袋でパンを冷凍保存すると、保存期間が2倍にのびて、冷凍障害が起こるのを大幅に遅らせることができます。
因みに、乾燥したパンは表面に水を軽く霧吹きしてからトーストすると、シットリとした食感が戻りますよ、良かったら参考にしてみてください♪
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