3月の振り返りと読んだ本

戦争という文字にじわりと慣れていく自分が怖い3月。

無知と無能の不安

心理的安全性のない組織ではたらくひとがとらわれる4つの不安として、「無知の不安」「無能の不安」「否定の不安」「邪魔への不安」があるそうだ。そのうち、小さな組織では「無能の不安(こんな簡単なこともできないのかと思われそう)」が起こりやすいのかなと感じている。

小さな組織だとひとりにかかる仕事の重さが大きく、やらなければいけないことも多い。そんな中で仕事をしていると、自分の仕事のできなさに直面するシーンもものすごく多い。直接周囲から「こんな簡単なこともできないのか」と言われなかったとしても、じわりと感じ取ってしまう。頑張っていて勉強して成果を上げている同僚を見ると自分ひとりで劣等感にさいなまれたり、自分で自分を追い詰めてしまったりする。

心理学者の根本橘夫さんが『「いい人に見られたい」症候群: 代償的自己を生きる』という本の中で、「うれしい!」と人が言うとき、うれしいと感じたからではなく、うれしいと言うべき場面だからうれしいと言う自分がいて、それを「代償的自己」と呼んだ。人の期待に応える役割を演じたいと思っている自分が強すぎると、それに応えられない事実に打ちのめされてしまう。

小さな組織で働くとき、どうしたらそういう苦しさをもっと軽減させてあげられるんだろう。大きな組織であればもっと業務を限定してあげられるのに。でも業務の重さを減らしたら逆に有用感を減らしてしまいそうだし、かといって本人たちがホールネス(自我同一性)を獲得するまで待つというのも個人のせいかよって感じがするし。もっとそのひとがそのひとにとってほどよい目標を持って成長できるような環境にできないのかな。

自分が傷つき打ちのめされながら成長してきたからといって、傷つく必要なんてひとつもなかった経験だって、絶対あったはずだ。

100年後にこのときを見たら

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