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【大暑の養生】熱中症に気をつけながらも、体を動かす/「血」のお話

一年のなかで最も暑さの厳しい時期。

元気が出ない、
眠りが浅い、
疲れがとれない、
なんとなく落ち着かない
といった不調はありませんか?

夏の土用にも入りました。
おいしく養生して、
厳しい時期を乗り越えましょう🌈

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🌈「大暑」の時期の薬膳について、
養生について、
もも子先生に伺います!

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Q. 先生、今の時期のことを教えてください。

今年の大暑は、7月22日ですね。
一年のなかでも暑さが厳しい時期です。

また、「夏の土用」の時期でもあります。

土用は、「夏の土用」が有名ですが、
実は年に4回あるのをご存知でしたか?

季節の変わり目の
立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間が土用。

今年の立秋は8月7日なので、
8月6日までの18日間が「夏の土用」という
ことになりますね。

季節の変わり目は体調を崩しやすいもの。
それに加えてこの暑さのため、
「夏の土用」は特に過酷ですね。

元気に乗り越えるのが厳しい時期なので
「土用」といえば夏の土用のこと主に指し、
養生しましょうと
促されているのかもしれません。

土用の丑の日には、昔から、
「丑湯」といって、薬湯につかる風習が
あったようです。
桃の葉とか、よもぎとか、
いろいろな薬草が使われたようですよ。

桃の葉は、今でも「あせも」の治療に使います。

私も、庭に桃の葉があるので、
もんで煎じて桃の葉エキスを作り、
あせもに使用しています。

この時期は、肌を清潔にしたり、
シャワーだけでなく湯船に入ることで
体内の巡りを良くすることが大切ですよ😊

Q.この暑さだと、今年も熱中症には注意したいですね。

そうですね。前回も紹介しましたが、
昨今の自粛生活では、
「動く」ということが大幅に減りましたよね。

この「動かない」ということにより、
心身にさまざまな不具合が生じやすくなります。

熱中症予防はとても大切なことなので、
前回の記事でも触れましたが、今回もまた
東洋医学の観点から見たポイントを
ご紹介していきますね。

Q.日本の夏の環境では、「暑邪」の対策を、でしたよね。

覚えていてくれましたか😊

「暑邪」は、「熱」と「湿」が一緒になったものです。

精神活動を司る「臓」の「心(しん)」は暑さに弱く、
「脾胃(消化器系)」は湿度に弱い

だからこの時期は、
精神的に落ち着かない(心の不調)、
眠いのに眠れない、眠りが浅い(心の不調)、
食欲不振(脾胃の不調)といった症状が
出ることがあるのですね。

脾胃が弱ってしまうと、
元気の素である「氣」や、
体中に栄養を滋養する「血」を作り出せません。

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クーラーのきいた部屋で一日過ごす、
ということが増えていませんか?
この動かない事により、
下のようなことが身体の内で起こっています。

⭐1, 気、血、津液の巡りが悪くなる。 
気滞・お血(おけつ)・水毒が起こりやすくなる。

「気滞」とは、元氣の源である「気」が滞ること。
「気」が滞ると、イライラしたり鬱々しやすくなります。

「お血」は「瘀血」と書き、「血」が滞ること。
血の巡りが悪いと、体のすみずみに栄養が行き渡りません。

「水毒」は、水、つまり津液が滞ること。
津液の質が悪くて流れが悪くなったり、
量が少なくて流れが滞ったりします。

⭐2, 筋肉が減少する   
筋肉は、エネルギーを産生し、代謝を促進します。
その筋肉が減少すると、
代謝機能が落ち、エネルギー不足によって
「冷え」の症状が出てくることがあります


また、エネルギーとして燃焼できなければ、
脂肪が蓄積していきます。
それにより、中性脂肪やコレステロール値が高まります。

そして何より、運動機能が低下してしまい、
悪循環に陥ってしまいます。
 

⭐3, 五臓六腑の機能低下 
五臓六腑は互いに補い合って
機能していますが、
脾胃の働きが低下し、食欲不振に陥ってしまうと、
五臓六腑に必要な「気」や「血」が不足してしまいます


五臓六腑も正常に働かず、
疲労感がどんどんつのっていってしまいます

⭐4,汗をかかず、デトックスされない 
涼しい室内にずっといると、
汗をかきませんね。

汗は、体内の余分な熱の排泄や、
邪気・毒のデトックスをしてくれます。

涼しい室内にいても、気候の影響で、
体内には「暑邪」が入り込んでいます。
これをデトックスする機会が無ければ、
不調はなかなか改善されません。

⭐5,マスクによる酸素の供給不足 
マスクをつけていると、
酸素の供給不足に陥ることがあります。

頭痛、めまい、立ちくらみを起こしそうになる前に
自身で調整しましょう。
子どもは自分では気づけませんので、
おとなが注意してあげる必要がありますね

⭐6,関節のこわばり 
運動不足により、
膝・足首・腕・肩・股関節などの可動域が
減少してしまいます。

そうすると、
歩行困難に陥ったり、つまずきやすくなったり。
それが、骨折やケガにつながることもあるのです。

⭐7,メンタルの低下 
運動で発散できていないと、
やる気が出ない・不安・不眠
といった症状が現れやすくなります。

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Q.暑いからといって一日中クーラーのきいた室内でごろごろしていると、ますますだるくなってしまうんですね…
でも、熱中症は心配ですが。


日が高い日中の時間帯は避けて、
できれば早朝や、夕方以降の涼しくなった時間帯に
散歩をするとか、運動するようにしてはどうでしょう。
すぐに水分補給できるように、水筒などを
持参してくださいね。

また、
今はオンラインでさまざまな講座を受講できる機会も
ありますので、
涼しい室内にいても運動して汗をかくことは
できそうですよね。


「夏の気」は、天の気も地の気も、
強くお互いに交わります。

この「夏の気」に逆らわないように体をよく動かし、
体の「気・血・津液」も順調に動かすことが
自然界の理にかなっていること。

体内の余分な熱・湿・邪気を
汗をかいて、
汗から出すようにするのです

自分の体力に合った運動をして
「筋・筋肉」を柔軟にして「骨」を強化することも
大切なことです。

夏は体のあらゆるところを動かし、
外に発散することが自然の道理にかなう
のですよ。

熱中症には必ず注意をし、
万全の準備をしつつ、
運動して汗をかくことを心がけていきましょう
😊

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夏の夜は暑くて眠れないこともありますよね。
そのようなときや、
疲れを感じるときはためらわずに午睡を取りましょう😊

午睡は、30~40分を目安にとることがおすすめです。
お昼寝をする前に、お茶・コーヒーなどをとると
目覚めが良いという研究もありますよ。

睡眠不足が続くと夏の臓「心」に負担をかけますので、
無理せず休みましょう〜
(-_-)zzz

夏は津液(水)・気(陽気)を消耗するので、
朝の散歩・深呼吸・季節の野菜・果物から
それらの補給を行います。

すがすがしく散歩をしながら深呼吸することで、
大気から、元気の源の「気」を
とり込むことができるんですよ。


暑いからといって、冷たいもの、
体にあまり良くないものを飲んだり食べたりすると、
ますます脾胃に負担をかけて、弱らせてしまいます。

自分の体とよく向き合い、
過不足をなるべく補うようにすることで
体の健康を維持することができるのです。

Q.津液と気については今までも出てきましたが、「血」についてはまだちょっとイメージがわきません。

夏の臓である「心」は、
「血」とつながりが深い臓
です。

暑邪によって「心」が弱まってしまうと、
「血」が順調にめぐりません。

体にも陰陽がある、ということを
以前言いましたね。

「気・血・津液」で言うと、
「気」は陽で、「血」と「津液」は陰です。

陰は、体を潤すもの。

「血」にも、「全身を養い潤す」という働きがあります。
「血」が十分な量があって、順調にめぐることで、
顔色が健康的になり、
肌肉が豊かに潤おい、
皮膚と毛髪につやがある、という状態になるのですよ。


また、≪血は神気≫と言われ、
「神志活動を正常にする」という働きもあります

「血」が足りないと
失眠・多夢・不整脈・煩躁・昏迷・神志障害といった症状が
出やすくなるのです。
「血」が充分に満ち足りてれば、
「神志清晰で精神活動が充分に行われる」
と言われています。


「血」は
「脾」で作られ、
「肝」でデトックス&貯蔵され、
「心」で循環されます。

春の「肝」の養生から始まって、
梅雨時期からの「脾」、
夏の「心」の養生が大切なのは、
ひとつには、
十分な量の「血」を順調に巡らせるため

ということがわかりますね😊


「大暑」。文字の通り、
暑さが厳しい時期です。

旬の食べものを食べ、
疲れたらちゃんと睡眠をとり、
熱中症に気をつけつつも汗をかいて、
厳しい夏を明るく乗り切りましょう🌻

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まとめ

一日中クーラーのきいた室内で静かにしていると
さまざまな不調が出てきます。
熱中症には気をつけて、涼しい時間帯を選びながらも、
散歩や深呼吸を取り入れるなど、
運動をして汗をかくことが自然の理にかなっています。

また、疲れたら午睡をとるなど、
睡眠不足にならないように気をつけましょう。

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参考文献
『増補新板 薬膳・漢方 食材&食べ合わせ手帖』西東社
『絵で楽しむ 日本人として知っておきたい 二十四節気と七十二候』KADOKAWA

ここからは、有料です。

暑い夏の時期に食べたい、
この時期の不調を予防・改善させる食材を紹介します。

おすすめの旬の食材のひとつは、赤しそ
体内のめぐりを良くし、
邪気を除く食材です。

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