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近年で一番印象に残ったクリエイティブ

迷わずこれでした。

「人間まるだし。」
NA:美しい時代です。
誰もが「正しさ」に燃え、
「正しくない」表現を炎に包む、
美しい時代です。
思い切った表現が、
どこかで「正しさ」の壁にぶつかる
この時代。
コンプライアンスという言葉に
塗りつぶされるこの時代。
私たちは今、
とても美しい時代を生きています。
でも。
人間のありのままを見せることは
罪でしょうか。
人間には、見たいものがある。
見るべきものがある。
人間のおかしみも、
かなしみも、
希望も絶望も、
そのすべてに物語がある。
さあ、まるだしの表現を、
まるだしの人間を。

いろいろな映像作品を取りあつかう配信サービスで、映像作品の多くを見せるよりもはるかに雄弁に物語る映像。超極太メッセージ。

当時「全裸監督」が物議を醸しだした中でのタイミングというのもまた、映像で語らずとも見る人たちが、みな思い起こしたのではないだろうか?ナレーションは山田孝之。

色とりどりの映像ではない。白黒の本と手が出てくるのみ。ネット広告ならまだしも、地上波で初めて目にした時は、それはもう釘付けでした。

語られる言葉もまた秀逸。
「美しい時代」から始まるが、声のトーンは映像と同じくらいに重い。「美しい」という言葉がこれほどまでに、ネガティブに聞こえたことはないだろう。

コンプライアンスという言葉が世の中にはびこり、「守られるべきこと」と「表現が規制されること」のバランスの悪さみたいなもの、きれいな言葉だけで守られた世界の居心地の悪さ、実生活との距離や違和感、、、そんな日常無意識に考えていた事を、表層に押し上げる作品だった。

「楽しいよ!」を全面に押し出すのも正解。
「姿勢を露骨につたえる」のも正解。
両方あって、きっと正しくユーザーに届くんだろうと思う。


アニメのこのシリーズも好きです。
帰省もできない年末年始、さて何を観ようか。


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