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仕方がない、という前向きな受け止め

精神科医の益田裕介先生のYouTubeチャンネルを時々拝見している。とてもためになるお話がたくさん聴けるので、こころのことで仕組みや医療のことなど専門家の話が聞きたいと思う方にはおすすめのチャンネルだ。

今日(2024年8月17日)に投稿された動画の中で、先生はこのようにおっしゃっている。(以下文字起こし)

精神科の治療ってですね、仕方がないと思えることが治療のゴールだったりしますね。つまり不安やトラウマというものは無くなるものではなくて、それに支配されないってことが治療の目指すとこなんです。だからなくなるんじゃないんですね、不安が。不安はあるんだけども、耐えれる、コントロールできる範囲に収まる、それによって、不安やトラウマによって行動が制限されたりとか、不適切な行動をとらなくなるということを目指すのが治療なので、そういうものなんですね。
じゃあ仕方がないと思えるようになるにはどうしたらいいのか。受け入れて、次に進む、切り替えて次に行動を移せるようになるためにはどうしたらいいのか。人間とか社会はこういうもんだよね、ってことを理解して置くってことが大事なんですね、いろんなことを理解する、いろんなことを知ってる。知っていれば、なんなんだよっていうこの怒りも、腹は立つけども、益田が言ってたあれね、幹弥先生が言っていたあれだね、あれがうちでも起きたんだなと、医療業界で起きているあれが、うちの業界でも起きてるんだとわかるわけですよ。だからまあ、何でこの動画を撮るのかと、こういう話をするのかというと、一見自分たちとか精神医学と関係ないように見えるかもしれないですけれども、この話を考えていくことによって仕方がないと思えるための土壌ができる、土台が鍛えられるのでやる、ということでございます。

https://www.youtube.com/watch?v=dBU8HI8co34&t=134s

このあと美容整形業界の問題や医師とお金の問題などの話になっていくのだけれど、私がなるほどと思ったのは、この文字起こしした部分、動画の冒頭だ。

精神科の治療は不安がなくなることではなくて、不安があっても仕方がないと思えて、その不安をコントロールしながら不安に振り回されずに自分の人生を生きられるようになることがゴール。
これを聞いているといないとでは、治療を受ける時の気持ちやモチベーションが大きく変わってくるのではないか。

益田先生はほかの動画でも同じことを、患者さんは治療をしたら悩みのない晴れ晴れとした明るい人生が待っていると思っている人も多いけれど、そうではないんです、という意味のことをおっしゃっている。みんな悩んでいて、不安な時もあって、でもそれで生活が脅かされない、振り回されないだけなんだと。

その事を理解しているかどうかで、治療に対する不安や不信感などは大幅に変わってくるだろうし、楽になれるのではないかなとも思う。そう思ったのでここに書き出してみた。いつも悩んだり、不安になったりしがちな自分的にも、それでいいんだ、それが普通なんだと思えてとても勇気づけられるのだ。

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