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親が子どもに「ブス」と言うかどうか。その境界線

2024年1月に放映されたドラマ『不適切にもほどがある!』の中で、お父さんが高校生の子どもに「ブス!」と言うシーンが何回もありました。「日常のワンシーン」として。

このドラマの「1986年では「アリ」だったけど、今はコンプライアンス的に「不適切」なこといっぱいあるよね?」という「主旨」に基づく演出なのだろうなと思って、その時は流し見していました。

親が子どもに「ブス!」と言うシーン。

今でも気になっているのは何故かというと、1986年にティーンエイジャーだったワタシにとって、親から「ブス!」と言われることは、「よくあったこと」では、全くなかったんですよね。

上記はあくまでもワタシ自身の感覚であって。
当時の1986年の世の中は、親から日常的に「ブス!」と言われるのが当たり前、という風潮があったのかもしれないけどね。

知らんけど。

話は変わりますが。
『人は見た目が9割』という本がありまして。

タイトルを見て「ほほう」と思って中身を読んでみたら、タイトルから想像したのと違うじゃん!という本の代表選手なんですが、これにはトリックがあって。

ワタシはタイトルの「見た目」という言葉で「見た目=容姿」と考えていたんですが、内容的には「見た目」と「容姿」はあまり関連がない、というやつでして。

「見た目」と「容姿」の違い、とは。

いやぁ~難しいよね。

「ブス」か「ブスじゃない」かの違いぐらいに。

幼馴染のMちゃんの話から始めます。

Mちゃんは幼稚園の頃から「出っ歯」でした。口を閉じても、前歯が見えてしまうような。
Mちゃんは、小学校高学年から「出っ歯」を理由に男子からイジメにあうようになりました。「デッパラス」というあだ名をつけられて。
掃除の時間に雑巾を投げつけられるようになりました。
世の中に「理不尽」というものが存在する。ということを10歳のワタシは知りました。
Mちゃんは、ワタシに面白い漫画とかアニメとかいっぱい教えてくれて、更にはワタシがバンドをやりたいと言った時に「ドラムやるよ」と言ってくれて。
中学生になって初めて組んだバンドは、Mちゃんがドラムを引き受けてくれたから結成できました。

Mちゃんが「歯列矯正」を始めたのは、ワタシと一緒にバンドでドラムを始めた中学3年の頃でした。

0歳からずっと一緒に育ったような感じだったMちゃんとワタシの間柄でしたが、「デッパラス」についての話はワタシ達の間では「タブー」でした。
Mちゃんは自分の「容姿」が原因で自分がいじめられている事に関して、とても「無関心」でした。
だからワタシは「その件」について触れることができませんでした。

だけど、もしかすると、Mちゃんは自分の「容姿」に関して「無関心」を装っていたのかもしれない。と、思春期の頃になって思うようになりました。

ワタシは、彼女の意図的な「無関心」に踏み込む勇気がなかった。

だから、触れないように、話題に出さないように、そっとしておくように、ひたすら「容姿」に関する話題から距離をとっていました。

Mちゃんの「歯列矯正」が終わったころ、ワタシが中学の友だちと作ったバンドは解散し、ワタシはトーキョーに行き、絵を描くのが大好きだったMちゃんは地元の有田焼の窯業デザインを勉強しながら窯元で働き始めました。

さて。

「自己肯定感」と「ブス」か「ブスじゃないか」についての話です。

さいきん、16歳の娘から「なんで私はお母さんに似なかったんだろう」と、言われました。

娘は「お母さんは二重瞼でホントに羨ましい」と言う。

ワタシは、娘が可愛くて可愛くて、もう可愛すぎてどうしようもないので、なんでアナタはそんなことを言うの?? としか思えない。

なので、「貴方はマジで、カワイイよ?生まれた瞬間から、ラブりーカワイイ最高の存在だよ?」とずっとずっと一生懸命伝えてきました。

だが。

思春期の女子は、「アタシは一重瞼だから可愛くないんだよ!」とかのたまうのである

おいおいおいおい! アタシの娘が「可愛くない」なんてあるかぁ??!!

アタシの娘はぜっぶ可愛いいいいいよぉぉぉ!!!
可愛すぎるんだよぉぉぉぉ!!!

・・・ちょっと、取り乱しました。

この章の、自分の子どもを「ブス」と言えるかどうか。というタイトル。

最初は、自分の子どもを「ブス」とかなんとか。言えるわけないじゃんねぇ? あり得ない!

と、いう気持ちで書き始めたんです。

しかし、世の中の道理を考えると、その気持ちは100%ではないなと思うところもあり。

西原理恵子が自分の子どもを「ブス」と言った、更には(高須クリニックでの)整形を勧めたという話を聞いて、「あぁ...」と思うところもなくはないんです。
※この件については同じ「毒親」持ちとしてお子さんの方を100%支持しますけども。

幼馴染のMちゃんの事を思い出してしまって。

中学まで「デッパラス」だったMちゃんの事を。

「見た目」と「容姿」の違い。
それがわかる「徳」の高い人間なんて、そうそういないんだもん。

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