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右か? 左か?

右なのか左なのか。それが問題である。

利き腕の話です。

「左利きの人」の割合は、日本では人口の11%だそうです。
大雑把に言えば、「10人に1人」が左利き。

統計で言えば、日本人の中の「佐賀県人」の割合は6%(2022年国勢調査)、「LGBTQ+」の人の割合は9.7%(2023年電通調べ)。

数字って面白いですよね。

「佐賀県人」よりはずっと多くて、でも、10人に1人しかいない「左利きの人」。

統計データの数字として、もっと興味深いものとして「左利きの人は、右利きの人より寿命が短い」というのがあります。
ソースはアメリカなので、日本でもそうだとは断言しませんが、「(世界的に)左利きの人のほうが寿命が短い」のは統計学的に有意なことだそうです。

理由は「左利きの人の方が「致命的な事故」に遭う確率が有意に高い」とのこと。
左利きの人は「(致命的な)事故に遭いやすい」→「事故で死亡する確率が高い」=右利きの人より平均寿命が短い。と。

何故左利きの人が「(致命的な)事故に遭う確率」が高いのか?

これまた諸説ありますが、世の中の「道具」や「乗り物」が右利きの人向きにカスタマイズされているから、なのではないか?と言われています。

たしかに。それは納得できる。

子どもの3人中、1人が左利き、2人は右利きなのですが、左利きの子は「事故に遭う確率」がやたら高かった。

左利きの子は、幼児期に「ドアの蝶番に手を挟まれる」という事故に何回か遭いました。
右手でドアの取っ手を持てば蝶番に手をかけることはあまりないのですが、左手でドアの取っ手を持つと、蝶番の稼働部分に右手をつい置いてしまう。そこで蝶番に指を挟んで大怪我をする。
という事故が幼児期に数回ありました。
これは有意に多い回数でした。

あと、右利きには使いやすくて左利きには使いにくい道具の代表選手である「ハサミ」。
小学校入学時には「左利き用ハサミ」を買ってあげていたのですが、なんかあった時にいつでも「左利き用ハサミ」が準備されているワケでもないので、という理由で、本人から「わざわざ「左利き用ハサミ」を準備しなくてもOK」と言われるようになりました。小学4年生の時に。

同じく小学校4年生で習い始めた「お習字」も、右手で毛筆を持つようになりました。

親として「右手で書く」ことを矯正したことは一度もなかったのに、本人が右手で筆を持って書くようになりました。ただし毛筆だけですけど。

鉛筆もお箸も左だけど、毛筆だけは右。

「百人一首」が大好きで、競技かるたをやっていたことと関係あるのかもしれん。

大河ドラマ『光る君へ』で、左利きの吉高由里子さんが、毛筆の書を右手で流麗に書いているのを見ると、真ん中の子を見ているようで、偉いなぁ~と思う。
そういえば真ん中の子が競技かるたで一番好きだった札は

めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に
雲がくれにし 夜半(よは)の月かな(紫式部)

でした。

大河ドラマといえば『鎌倉殿の13人』の主役をやった小栗旬さんも左利きで、刀を右で振るう練習を必死でやったと話してました。

左利きの人、努力してるんですよね。
「右利きが9割」の世の中で、1割の左利きが、努力して右手もうまく使えるようになったら強い。両利き最強。

音楽の世界でも左利きは強い。
ジミヘンもポール・マッカートニーも左利き。
坂本龍一も松崎しげるも野呂一生も左利き。
強い強すぎる。つよつよ。

9割の右利きである「マジョリティ」の我々は、無理やり左手を訓練しなくてもいい。努力しなくても不便を感じない。
この差って、結構大きくないか? と思います。

右利きの我々はのほほんとしすぎなのかもしれん。

あ。右か? 左か? というタイトルで、政治的な何かを想像した人。
ごめんねごめんねー。

政治的に右か? 左か? とか。そんな時代はとっくにとうのスギちゃんなんだよ。

ワイルドだろぉぉ??


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