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とっくにくたばってるPTA

コロナウイルスの影響により、3ヶ月に及ぶ「全国一斉休校」があった2020年。
本来なら3月に卒業式、4月には入学式があって、上の学年に進級する時期を控えた2月の終わりに、突然、テレビで安倍首相が「3月2日から全国の小中高校を休校します」と宣言しました。
確か2月28日だったかな。
なので、「え?明後日からいきなり休校?え?どうすんの?」と学校関係者も保護者も大パニックになったのを覚えています。
子ども達は大喜びでしたが。

2020年の3月から6月まで。小学1年生(6歳)から高校3年生(18歳)までのニッポン全国の児童生徒が、誰も学校に行かず、マスクをして、手指を消毒して、ひたすら家に引きこもって生きていました。

当時、我が家には小学生と中学生と高校生がいました。

その3人全員が「全国一斉休校」により、3ヶ月間、ずーーーっと一日中家に引きこもっていました。

2020年以降、不登校児童が劇的に増えたのは、このコロナによる一斉休校が引き金だったと今でもワタシは思っています。

この「一斉休校」は、PTAにも大きな影響を及ぼしました。

3ヶ月間の一斉休校の間、学校機能が全停止してしまったので、PTAも同じように全停止していました。

いつもならば、4月の保護者会での恒例行事「地獄の役員決め」が、2020年はありませんでした。
そもそも学校がやっていなかったので。

翌年の2021年の4月も保護者会の「PTA役員決め」はありませんでした。
その替わりに「zoom保護者会」というものがあり、「有志の人でPTAをやりましょう」という決議がありました。
そして、その翌年の2022年の4月、PTA本部からのメールで異例の長文が届きました。

要約すると。「コロナ禍によりPTAが長い間停止してたけど、停止してる間に考えたけど、もう今までのPTA必要なくね? だからもう今までみたいなPTAやめましょうかね」
というものでした。

そうなんですよね。

誰もが思っていたけど、誰もが口に出すことが出来なかった「そろそろPTAやめてもいいよね?」を、コロナのおかげでやっと口に出すことができたんですよね。

これは大きな一歩だと思いました。

それまでずっとPTA役員をやってきたワタシは、「無駄に時間がかかる活動の廃止」「負担が大きい係の廃止」を言い続けてきました。だけど、役員会でことごとく却下されました。
却下の理由は
「これまでずっとやってきた事だから」
「前例がないから」
と、いうことでした。

「硬直した組織」の典型です。

そんなこんなで、ずっとずっと「くたばれPTA」と思い続けてきました。

でも、コロナで流れが変わったんです。

たぶんだけど、ワタシと同じような事を感じていた人は沢山いて。でも、言えなかったんだろうなと。

「PTAに物申す」ということは、自分の子どもを「人質」に取られている立場として、とても難しいんですよね。

保護者と教師とのアソシエイションであるPTAに反するということは、自分の子どもの立場が危うくなりかねない。

PTA会費から出している卒業記念品が貰えない、とかなんとか、そういうお金とかの問題以前に、学校という「コミュニティ」に反してる人認定されることはマイナスでしかないわけで。

そういうのを「同調圧力」というのかもしれませんが、ワタシはちょっと違う風に思っていて。

PTAのそもそもの理念「子どもの健やかな成長を、親と教師が手に手をとって見守りましょう」。
これに否定的意見を言えますか? 
そんなこと当たり前じゃないですか。
そんな当たり前なことを「圧力」とは言えません。

だけど、ワタシにはもやもやとした何かばかりが残るんです。

「子どもの健やかな成長のために」という言葉、うわっつらだけで幾らでも「使える」言葉だからです。
免罪符としても使えますね「子どもの健やかな成長のために」という言葉。

ワタシは、そんな「子どもの健やかな成長」なんてうわっつらの言葉クソくらえ!と、3人の子どもを育ててみてつくづく思います。

そういう事いう輩は子育ての事を何もわかってねぇ。

「とっくにくたばってるPTA」に後ろ足で砂をかけるような感じになってしまいましたが、それでもワタシは、今でもPTAは必要だと思っているんです。

ずっと役員やってきたんですもの。

そのあたりの話を次の章でお話します。

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