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ターバンを作り始めた頃の話

今までいつくのターバンを作ったのだろう。そしてまだその作りたい!形にしたい!という気持ちは冷めやらずにいる。むしろその思いはゴーゴーと増している。
作り始めた頃の事を思い出して綴ってみよう思う。


ターバンを作り始めたのは、かわいい布を衝動買いしては、なにを作ろうか?と考え憧れていたターバンを作ることにしたのが最初だった。
初めて自作したターバンは幾何学模様の紺のプリント生地、いまでも定番商品の人気のターバンだ。リピーターさまならあの子か!と多分思い出してもらえると思う。

幾何学模様ターバンを友達と遊ぶ際に着用し
"似合ってる!作ったなんてすごい!"
と褒められたのが嬉しく、友人にも色違いをプレゼントしては私は上機嫌だったのを強烈に覚えている。



当時、本当にすごく傷つく出来事があって、やるせない気持ちをどう乗り越えたらいいかも分からずにいた私は、
どうせなら無茶苦茶なことがしたいと日暮里布地を大人買いした。

問屋街ならでは、台車いっぱいに布地のロールをぎっしり2台分詰めて意気揚々と爆買いしたのだ。その中の1つに幾何学模様の布地があった。

傷は消えることはないけど、その爆買いにたいそう救われた。
小さい頃はいわゆる廃材、要らなくなった布地でお裁縫を楽しんでいた私は、
"大人ってこんなに沢山衝動的に布を爆買いしてもいいのか!"
"自分で自分の機嫌をとれるようになったんだ!"
そんな風に思ってハイになり心臓がバクバクしたのを覚えている。


それから少しして、
私の名前をつけてくれたおじいさんの奥様から使わない布があるから良かったら使って。と着物を頂いた。


その着物は茶系の縞模様、地味で教えて貰わなければ当時の私には着物と分からなかった。
とても状態が良く、未使用品の反物でとても扱いやすい薄手の綿素材の布地だった。


大切な人から頂いた布地だからと、お守り代わりにターバンを作って愛用することにした。これが着物ターバンの誕生だった。


薄くてたいそう丈夫、素材の丈夫さと使いやすさに驚いた。
色合いも本当に素敵で着物の色味に虜になった。
茶色と抹茶色の中間の色合いでどんな普段着にでも合わせられる。その色が大好きになった。
(後に染め屋さんに店主にその話をすると"みる色"という日本色だと知った。)


この布地のおかげで、
着物の生地がこんなに上等で素敵なのに日の目を浴びていない物が日本中にあることを分かったというより腹落ちした。
なんてもったいないことだろう…
そうだ!着物ターバンを作って売ってみたらどうだろうか?!…
そんな感じで着物ターバンを販売を始めることになった。


私はターバンを作り始められて本当に良かった。それはつけてもらえると素直に嬉しいから。
そして着物ターバンを作り始めて良かった。それはこの着物を晴れの舞台にあがってもらえたような気持ちになるから。
そんな気持ちでターバンを作り続けている。
こうして書いてみると、やっぱり自分ひとりでターバンを作っていないと再確認できた。


着物素材のターバンをつくっていく中で感じたことや大切にしたくなったことを書きたくなってきた。長くなったのでまた次回書くことにしようと思います。


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