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九州ツーリング その7 南阿波サンライン


4/1(土)

夜中、なぜか
2時間おきに目が覚めた。

朝が待ち切れないんだろうか。

それとも
ゆっくり寝ていられないのか。

朝食だけありにしていたので
7時前に行ってみる。

バイキングだ。
いっぱい食べるぞ!

美味しかった


今日もいい天気だ。
食堂から窓の外を眺める。

運河か川か 朝からいい景色


雲ひとつない天気。
今日は海沿いを走ろう。


19の時は高松から室戸に向けて
山の中を抜けた。

調べてみると、おそらくR193。
途中、何箇所も未舗装があり
工事中で15分とか平気で停められたりしながら
大きな山をふた山超えた。

最も過酷だった工程を
もう一度走りたい欲求と
バイクをこかしたくない気持ちが闘って
結局、走ったことのない
徳島の海沿いを走りたい欲求が勝った。


今回、ルートを考えるにあたり
「国道より県道を走る」
というルールを決めた。

なぜか?

県道の方が、その土地の様子や
日常の風景が色濃く見えて
その町らしくて好きだから。

というわけで県道120を
ずっと走ることにした。

ところが、荷物を詰め
バイクに乗せて出発した後
さっきまであった120の看板が
すぐに見当たらなくなる。

あれ?

歩道に乗り上げて停まる。

スマホを見る。
毎回、グローブを取るのが面倒だ。

道路の看板がおかしい。
今、120じゃないのか。

看板が間違ってる気がする。
解せないまま、ルート探索。

二つ先の交差点を曲がればいいらしい。

青看板って完璧じゃないのか?

納得いかないまま、また走り出す。

これからは看板だけを頼るのでは
足りないのかもしれないと思った。


県道130に変わり、県道24へ。
大きな川沿いを走る。

とても気持ちのよい景色で
路肩が広かったので思わず停まる。

安全に停められた
なみなみとした川面


バイクはこれができるのが良いと思う。

川に沿った緩やかなカーブ。
釣りをしている人がいる。

のどかな風景と穏やかな陽射し。
おやつはこれ。母が持たせてくれた。

阿闍梨餅


路肩でお菓子を食べると
過ぎゆく車から
不思議そうに見られている気がする。


県道24は、川とともに走り
集落を抜け、線路と並びながらR55へ。

R55は、バイパスができていて
かなりの数がそちらに曲がっていく。

バイパスがあるということは
走るのが面倒な区間ということ。

道がくねくねとしているのは
地図で確認済だ。笑

車が一気に減った道を
ワクワクしながら走り始める。

昔ながらの峠道。
とは言え、道はそれなりに広く
路面も張り替えられていて
緩やかなカーブが続く。

快適だ。

いい道だった。


道の駅 日和佐

バイク用駐輪場があって嬉しい
山の中腹の桜が見事


買った2つの干し芋を
食べ比べることにする。

どこまで行っても
気になることを確かめたいのだ。笑

干しいも2種
中身はこんな感じ 色も違う


味比べをした。

やはり鳴門金時は
ねっとり干しいもにはならない。

鳴門金時はほくほく系だもの。

確認できてよかった。
プロでもほくほく系はこの堅さなんだ。

それを踏まえてこの堅さで売っている。
その潔さがいいなと感心した。


これからの行程をイメージする。
気になっているくねくね道がある。

海沿いなので、景色もいいかもしれない。
もしかしたら長居してしまうかもしれない。

見た感じ、お店はなさそうな道。

先ほど見て気になっていたこれを
戻って買うことにした。

今日のお昼


道の駅のこういう食べ物は
間違いなく美味しいから。


日和佐を出る。
R55から県道147へ。

ルートを考える時に
一番気になっていた道。

R55じゃないよ 下の海沿いを見て!


こんな感じ

メインの道じゃない。
道の太さが違う。笑

普通は「これはやっかいだぞ」と
敬遠したくなる道。

もしかしたら、路面が荒れていて
安全ではないかもしれない道。

でも、走ってみたい。

荒れていたらゆっくり走ればいい。
走れない道は封鎖されているはずだから。


県道147の文字を看板に見つけ
指示通りに左折した。

ひなびた感じはない。いい道だ。

どんどん上る。
だいぶ上を走るようだ。

すぐに展望台があった。
寄ってみる。

素晴らしいロケーション
桜が咲き誇っている
遠くの入江の海の色が鮮やか


満開の桜とバイクと眼下の海。
気持ちの良い青空だ。

ここは、県道だけど
ちゃんとした名前がついていた。

南阿波サンライン


また走り出すと、車はほとんどいない。

箱根ターンパイクを思い出す。
山の中腹を山肌にはりつくように走る道。

右に山を見ながら
山の尾根で右カーブ。

視界の正面が開けた時は
真っ青な海が目の前に広がる。

右カーブは乗り越えるような
カーブの中央で登り切るような
そんなカーブが多い。

対して、谷をなぞって左カーブ。
下って行って
一番底の部分がカーブの中心。
後半でまた上り始める。


たまに、尾根を超えた後に下りながら
何もさえぎるものがない時がある。

その時の感覚が好き。
海の上にせり出すような感覚。
下りながら海の上に浮いているような
そんな感覚が湧く時がある。

このシーンだけは写真に撮れそうにない。

停まった頃には下ってしまい
視界はさえぎられ、海はよく見えなくなっている。

谷側の左カーブは
しっかりトラクションも効いて
安全に攻められる。

たまに左後方に
眼下の海が切り取られたように見える。

かなり山の上を走っていることが
海面からの距離でわかる。


展望台は全部で4つあった。
一つずつ停まり、景色を見てみた。

番号は忘れてしまったけど
最初と最後の展望台がよかった。

中でも一番よかったのが
南阿波サンラインモビレージに向かう
道の途中の海。

脇道をそれて下りていくと
南淡で探していたのと同じ
ガードレールのない道を見つけた。

写真を撮る。
(今思えば、しゃがんで撮ればよかった)

南淡と同じ道!


足元のコンクリート色の道路と
一段下がった砂浜が
同じ色なのでわかりにくいが
道路際に停めている。ガードレールはない。

ひとしきり写真を撮ったら
バイクの横に腰かけて
足を砂浜側に下ろしてみた。

けっこう高くてドキッとする。

せっかくだから
下は見ずに、目の前の海の美しさに集中した。

静かな風景。心が休まる。
しばらくじっと海を見つめていた。

スマホで現在地を見る。
ここだよと忘れたくなくて
スクショしておいた。

21℃!暖かい


最後の展望台。

陽射しが暑いくらいの陽気になり
日かげを探して木の下のベンチを見つける。

買っておいたお寿司を食べた。

やっぱり予想通り!
ご飯は景色のいいところで食べるに限る。

絶景を眺めながらお寿司を食べる。
ぜいたくな時間だ。

すし酢がやさしくて美味しかった!


いよいよこの道もおしまいだ。

南国の木が
桜はどこも満開だった


最後の展望台に別れを告げて
走り出すと道は一気に下っていった。

数分後、信号待ちをしながら
夢から覚めたような気分になった。

さっきまで夢を見ていたんだろうか。

いつも通りの毎日が営まれている。
人々が生活している世界に戻ってきてしまった。

さっきまであんなに素晴らしい景色を
独り占めしていたのに。

数分後にどこにでもある風景を見
当たり前のように信号待ちをしている。

夢のような時間だった。

信号が青になり
左折をしながら国道を走る。

また来よう。

あんなにいい道を知らなかった。
知らない道はもっときっとたくさんある。

お気に入りの道を一つずつ見つけていくのも
楽しいことだなと思った。






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