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空気の色


先日、卒園した幼稚園に
青くんと秋ちゃんの絵本を持って行った。

あの形の冊子を作りたいと
園長先生が言ってたから見本に…と思って。


「見本にどうぞ」と手渡したら
形や紙質を見ながら
だんだん絵本の中身に目がいくようになって…


『これ、さちさんですよね』

と言われた。


気づかれてしまった。


「はい。わかりますか?」

と聞いたら

『わかりますよ。
 ピアノでしょ。バイクでしょ。
 ほら。ここで確信しました』

と指差して見せてくれたのは
カエルさんの絵だった。


先生はうちに来たことがあるので
カエルがいることを知っている。


「やっぱりわかりますか」

と言ったら

『わかるに決まってるじゃないですか』
と笑われた。


そして

『初めてピアノを聴いた時のこと。
 今でも忘れませんよ。
 響きが他の人とは違いましたから』

と言ってくれた。


そう。この園長先生は
わたしの恩人なのだ。

初めて、わたしのピアノの音を
褒めてくれた人。

弾く人によって
ピアノは音が変わるということを
教えてくれた人。


「ピアノって人によって音が変わるんだ」

そう思ったら
なんだかとても嬉しくなった。

それからピアノの音を
追求するようになったんだ。


ピアノの音って
どうやったら変わるの?

その時から
気づいたら14年も経ってた。

そんなに前のピアノの音を
今も覚えていて褒めてくれる。

ピアノの音ってなんだろう。
何がちがうんだろう。



昨日、りようさんに音の贈り物をしたら
詩の贈り物が届いた。


それは、コメント欄でお話ししていたら
りようさんから生まれてきた言葉たち。

元々はわたしが知りたかった曲の名前を
教えてもらったお礼に
その曲を弾いたことがはじまりで。

りようさんとコメント欄でお話ししていたら
ふと生まれた言葉がきっかけで
詩が生まれてきた。

とても嬉しかった。

本当にすてきな詩。
昨日の夜みたいだった。


そして、もう一つ。

実は同じコメント欄で
りようさんが書いてくれた言葉が
わたしの心の扉を一つ開けたんだ。


楽器ができるって本当に素晴らしいなあと思います。空気に色をつけることができるのですから。

りようさんのコメントより


『空気に色をつける』


そっか。

わたしはピアノの音で
空気に色をつけているんだ。

だからあんなに
音にこだわっているのか。


そう気づいたら
アイデアが風船のように一気に膨らんできた。


ひと色展でピアノを弾く意味

最近ずっと考えていたこと。

わたしが弾くことで
ひと色展に何を添えられるんだろうか。

ピアノの音を聴いてもらうのもいい。
でも、それは
コラボしていることになるんだろうか。


音のコラボ

曲が書けないわたしは
どうやったら色の子と音でコラボできるのか
ずっと考えていた。


それが、りようさんのひと言で
すっと霧が晴れたようにわかった。



アサミさんが
キャンバスに色をつけるように

わたしは
空気に色をつければいいんだ。


それがきっと奏でるってこと。

ただ弾くのではなく
ピアノの響きに耳を傾けること。


色の子ファンのりようさんのひと言で
ひと色展のわたしの立ち位置がはっきりして

こういうのをご縁と言わずして
何をご縁というのだろう

と昨日から一人
ウキウキワクワクしていたのだった。


空気を何色にしたいか?


そう思うと
音の響かせ方が具体的にわかりやすい。

今までは感情で音を分類してたけど
これからは色で分類できる。


色の方が感情より無数にある気がして
音色の幅も広がる気がする。


そんなことを
昨日からずっと思っていたんです。
りようさん。

すてきな気づきをいただき
本当にありがとうございました!






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