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台湾の小学校のクラス名から知ったこと

日本では新しい学年の始まり、新しい担任の先生、新しい友だちとの出会いなどドキドキの時でしょう。(ちなみに、台湾の新年度の始まりは9月なので、今はまだ旧学年度)


台湾では、学校の校庭や廊下(台湾の学校の廊下は外廊下で広い)が休日などは一般に解放されているところが多いようです。

私の太極拳の練習場所も日曜日の小学校の外廊下です。

窓越しに少し教室の様子が見えると、歯ブラシコップが並んでいたり、椅子に黄色い座布団がセットされていたり(これ災害時のアタマ防護用かな)、台湾の子供たちの学校での様子が伺えるのも興味深いです。

そして、廊下には各教室のクラス名が書かれた表示板を目にすることができるのです。

そのクラス名が日本では目にしたことがない表示なので、とても興味をそそられました。

日本では各学年のクラス名は1年1組、1年2組、、、というのが一般的ですね。

それが、さすが台湾と思うようなクラス名が書かれていてとても興味がわきました。


[トップの写真は2年1組のクラス表示板]


日本では聞いたことがなかったようなクラス名です。

1年忠班、1年孝班と続きます。
日本の1組、2組が忠、孝、仁、愛となっています。


「忠孝仁愛」の文字は中華圏の道徳の学びの言葉からきているもののようです。


日本でも
西郷南洲翁遺訓の中に次のような言葉が出てきます。

忠孝(よく君、国に仕え、親を大事にする事)仁愛(他人に対して恵み、いつくしむ心)教化(良い方に教え導くこと)

うろ覚えながら、見たり、聞いたりしたことのある言葉ではありました。

台湾のこの言葉について
調べてみると次のような解説が出てきました。


上記Wikipediaで、忠孝仁愛と入れてみると[四維八徳]という下記の説明が出てきました。

四維八徳は漢人の伝統的な美徳である。
その中で「四維」は斉国管仲が作った『管子』という本で、この本は礼、義、廉、恥を国の「四維」と呼んでいる。
孫中山(孫文)は民族主義第六講で特に忠、孝、仁、愛、信、義、和、平を「八徳」と提唱し、当時は固有の道徳と呼ばれていた。両者を合わせて「四維八徳」になる。

WikipediaGoogle翻訳

また、この教育百科というのにも
詳しい説明が出てきます。

忠孝仁愛信義和平は
中国近代革命家、思想家孫文が提唱した一連の道徳規範を定義するもので、元は中国古代の伝統的な道徳です。

中略

国父 孫中山(孫文)さんは〔三民主義演説稿〕民族主義第六講で八徳の重要性を言及し、「中国固有の道徳について言えば、中国人が今でも忘れられないのは、まず忠孝、次に仁愛、次に信義、次に平和です」と言った。蒋中正さんは国父の遺教を宏揚し、忠孝仁愛信義平和を八徳と呼び、礼義廉恥を合わせて四維八徳と称し、四維を中小学校の共通校訓としている。

Google翻訳より抜粋
(翻訳では四維のことは四次元と訳されているのを分かりやすく四維と書き換えた)


この八徳の文字[忠、孝、仁、愛、信、義、和、平]は
台湾の地名や道路名などにも多く用いられており日常的に馴染み深いです。

例えば
仁愛郷、和平路などなどなど、他にもたくさんの例を見ることができます。


調べていると、日本の方のブログでこのことを書いてあるのも出てきました。


台湾では道徳の教えが日常の中で身近に寄り添っている感じなんですね。

親や年寄りを敬うという教えなどは、台湾の人々の身に染みついているという感じを受けます。

若い人の年配者への気遣いは、ごくごく自然、見ていて本当に感心します。道路を歩くときなど、気遣いとともに常に体に手を添えています。
私なども、一緒に歩いている人から、いつもいつも気遣われて恐縮の限りです。

これまで台湾で暮らしてみて、いろいろ困った場面で本当に多くの台湾の人々の温かさに助けられてきました。
台湾の人々はなぜこんなにも全ての人が優しいんだろうという思いが
今回、この小学校のクラス名を知ったことをきっかけに、国全体の教育方針を知り、その中で育まれてきたものなのだろうと、少し理解できた気がしています。

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