夜にしがみついて、朝で溶かして
歌うことも書くことも作ることも好きなはずなのにいつの間にか学校で点数をつけられて比べられて嫌いになっていった気がする。
中でも文章を書くこと、読むことは今でも苦手意識が強い。
でも私には私の言葉しかないからこれで書くしかないんだ。
そんな私が書く理由はクリープハイプが好きだから。ただそれだけ。
小学生の頃モー娘が流行っても私は聴かなかったし興味がなかった。何がいいのかわからなかったから。子どもの頃からそういうところがあった気がする。
何にもハマらずにいた私が出会ったクリープハイプ。気づけばもう私の身体の一部のようになっていてまるでずっとそこにあったかのようなそんな存在。
あの日あのCDを手にすることがなかったらきっと全く違う人生を歩んでいたと思う。
そんな大事な彼らの大事なアルバム
01.料理
ギターが走るように音を鳴らすのに歌詞はなんだかあたたかい。
尾崎さんの言葉遊びがその意味がたくさん散りばめられていて聴けば聴くほど面白い曲。
日常の中のふとした瞬間に感じる「これで良かったのかな」の気持ちも全て見透かされているようでやっぱり尾崎さんはすごいなと思う。
中でも"残さずに全部食べてやるよ だからさ"の部分が私は好きで。野菜嫌いの尾崎さんが全部食べるってかなりのハードルで愛だなと勝手に思ったのもあるし、私の旦那は毎日ごはんを残さずなんならおかわりをする。それが当たり前だったけどそれって愛だなと気付かされたから。
今日はごはん作りたいないなぁの日のお供によく聴いています 笑
02.ポリコ
「また排水口にゴミが溜まってる」「また麦茶が空なのにそのまま」そんなことの繰り返し。やってもやっても終わりは来ない。
一人暮らしの頃は土曜日の午前中に家事の全てを終わらせていたのに、結婚して母になって仕事が始まったら全部をこなせなくなった。そんな自分に嫌気がさす。
「気付いてるんだからちょっとは手伝ってよ」いつの間にかそう思うようになった。
一人の頃はなんで世の母親ってそんなピリピリしているんだろうと思っていたけどそれは母にならなきゃわからない気持ちだった。
子どもの頃は母を母という生き物だと思っていたけど母も私と同じ一人の人間だった。時間に追われて気持ちに余裕がなくなって優しくしたいのに優しくできなくなる。
この曲の何が好きって"糞ガキ、馬鹿野郎、馬鹿"の荒々しい言葉がたくさん存在するのに角が丸くてまるで今回のアルバムみたいなところ。どんどん触れたくなって聴きたくなる。
そして尾崎さんが歌うとこの言葉たちが光り出す不思議。尾崎さんの歌うそういう言葉たちがたまらなく好き。たまらない。
03.二人の間
クリープハイプだからできた曲。
間を言葉にならないそれを音楽にしてしまうってそんなこと普通できないでしょう…会話の途中のその間の空気まで伝わってきそうな音にリズムに歌い方。
それにこの二人、無言さえも心地よいもしくは気にならない関係だって伝わってくる。
そしてドラムの音がとっても心地良い…
時計の針のように時間が過ぎていくのをそっと教えてくれる。
ついつい通り過ぎる景色を眺めながら口ずさみたくなる一曲。どんどん日常に溶け込んでいく。
04.四季
初めて聴いた時にこれからもクリープハイプと一緒に過ぎていく季節を一緒に過ごしていけるんだと嬉しくなった曲。
もう歌い出しの"年中無休で生きているから疲れるけどしょうがねー"だけで泣いてしまう。
移り変わる季節のように4色に変わっていく音。中でも冬の雪が降るようなあの感じがすごく好き。
そして歌詞"熱くて蹴っ飛ばして 寒くなってまた抱きしめたりして 叩かれて干されても また包んで 布団みたいな関係"
どんな寒い冬でも布団を蹴っ飛ばす私。蹴っ飛ばすのにないと寒い、寝れない。そして旦那にもそんな調子。
こういう存在こそとっても大事だったりする…
尾崎さんはライブで「この(コロナでライブができなかった)期間があったから気づいたものの一つ」と話していて。全てを味方につける尾崎さんはかっこいいし無敵だなと思う。
何度も聴いて救われた一曲
05.愛す
なんだこれは?!と思ったけどこの曲から新しいクリープハイプが始まっていたのかもしれないと今になって思う。そしてMVが強い…
Remixもされていてまたそれぞれ全く違うものになっていて面白い。中でも津野米咲Remixとbetcover!!Remixがお気に入りで何度も聴いたな…
言葉で誤魔化しながらもなんだかそれさえも愛だなと思う曲。ブスが愛すなんてクリープハイプにしか尾崎さんにしかできないよね。
06.しょうもな
この曲はメロディも歌詞もMVもとても好き。
怒りに向かってがたがた走り出すような音に「てめぇに何がわかるんだよ!」と言っているような歌詞。そしてこのMVにぴったりなかてぃちゃん。
"あたしは世間じゃなくてお前にお前だけに用があるんだよ"この部分、尾崎さんらしくてすごく好き。胸ぐら掴まれるような感じ。
さっきから好きしか言ってない気がするけどしょうがないよなだって好きだから。
今のクリープハイプは…みたいに言う人たまに居るけどそれはあなたがずっとそこに居るだけ(もしくは好みが変わった)で過去にしがみついているだけなんだよなと言いたい。
私も変わることを怖がっていた時期があったけど一緒に変わっていくって素敵なことだよね。
そう思わせてくれたのもクリープハイプだったな
07.一生に一度愛してるよ
新しいのにクリープらしさが強い曲。
ギターの音がまためちゃくちゃいい。この音じゃなかったらこの曲にならなかったんだろうなと思うと本当に4人は天才だなと思う。
バンドに対する気持ちと彼に対する気持ち、
考えたこともなかったけど私はクリープハイプ
と共に変わっていった人間だからそこまで感じたことはないかなぁ…
確かに好きになったばかりの頃は初期の音源聴きがちだったし、初期曲あんまりやってくれなかった時期はあれが聴きたいこれが聴きたいって言ってたけど 笑
そして間違いなくクリープハイプはずっと
私を初めてみたいにドキドキさせ続けてくれるんだろうなとこのアルバムで思ったよ。
08.ニガツノナミダ
出だしの"Ah チョコ"に気を取られてると
途中で急に曲調変わって一気に持っていかれる…めちゃくちゃかっこいい。
音源になる日を待ってたからとっても嬉しい。
もっと聴いていたいのにあっという間に終わっちゃうのが寂しいくらいに。
この曲の速度も速度制限意識してるのかな…
09.ナイトオンザプラネット
「この曲はクリープハイプにとって大切な曲になると思います」ライブで披露した日に尾崎さんが言った言葉。
本当にその通りになって、大事に大事に歌う姿をいつも以上に想いのこもったお辞儀の意味を少しずつ知っていく。このアルバムの主役。
アルバムのタイトルの発表があった9/8、私たちの結婚記念日。旦那と一緒にそのタイトルを聞いて泣いた。まだその内容も知らないのに。
"夜にしがみついて、朝で溶かして"私も旦那もそんな日々を越えてきた人でその上我慢の日々の後だった。
泣いたのに何故か「大丈夫だな」と思えた。私にはクリープハイプがいるから。
宝物のようなお守りのような一曲
本当に"いつのまにかママになってた"けどずっと変わらずむしろどんどんこのバンドが好きになる。どうしてくれるんだ。
10.しらす
一度聴いたらもう忘れられないしらす。
しらすを見るたびに頭に流れるしらす。
みんなで踊りたくなるしらす。
カオナシさんにはいつか子どもの歌を書いてほしいと勝手に思ってる。
そしていつか長谷川カオナシの日もやってほしいと勝手に願ってる。
11.なんか出てきちゃってる
これはもうラジオ聞いてるんだっけ?となるくらい。そしてこのテンションと流れ、尾崎さんやりそう…特に「せーの!」のところ。
その"なんか"私の想像では虹色の液体なんだけどそれぞれ聴いた人になんかを描いてみてほしいな。いろんななんかを見てみたい。
そして尾崎さんの頭の中も覗いてみたい…
12.キケンナアソビ
第2のHE ISのようなキケンナ曲
見ちゃいけないものをそっと覗き見てるようなそんな感じがする。
"それだけ"な2人のはずなのに"することすればうつる匂い 首から下だけでも愛してよ"やっぱりそれだけではなくて。
だけどお互いに"それだけ"なフリをしてる。
2人のその先も気になるところ
13.モノマネ
歌い出しは仲の良い2人の愛おしい時間を歌っているのに聴いていくとモノマネだったと気がつく。
"シャンプーの泡"も、"同じキーホルダー"もあの曲を思い出す。
片想いをした人、憧れの人ほど一緒にいても何を考えているかわからなかったな。あの時私もモノマネをしていたのかもしれない…
明るい曲なのによくよく聴いていくと切ない気持ちになる。MVも可愛くて好き。
14.幽霊失格
この曲を初めて聴いた時泣いてしまった。
出産してライブに行けなくなってそのままコロナが流行って、自分ではそんなつもりはなかったけど張り詰めていた糸をこの曲が緩めてくれた。
ライブで泣くことはあっても初めて聴いた曲で泣いたのは初めてだった…MVで彼らの姿を見て、今まで観てきたクリープハイプを走馬灯のように思い出して感情が溢れるように涙が止まらなくなった。
ライブで聴いたら私はどうなってしまうんだろう…聴きたいのに聴きたい気持ちが強過ぎてちょっと逃げたくなってしまう。私もクリープハイプの幽霊になってしまいそうだ。
15.こんなに悲しいのに腹が鳴る
仕事帰り、疲れた日に聴きたくなる曲。夕日みたいな曲。
思えば大事な存在を失って泣いてもごはんはちゃんと食べていた気がする。それってなんだか寂しい気もするけど当たり前というか、そうやって悲しくても日常を過ごす中で大丈夫になって経験になってまたふとした瞬間に思い返す。その繰り返し。
「もう疲れたよもう無理だよ」そう言いたくなる日々も"生きたい生きたい死ぬほど生きたい"と尾崎さんが歌ってくれるから死ぬほど生きれる気がしてくる。おまじないの曲。
#ことばのおべんきょう
#クリープハイプ
#夜にしがみついて 、朝で溶かして
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