白虫どものソーシャル・ディスタンス
部屋の明かりに反応した、米粒みたいな虫たちが、窓の外に張り付き寄り合っている。
それぞれが、うろうろと歩き回っては自分と同じ姿の生物に驚いて、飛び跳ねている。
タダの反射行動だが、結果的に彼らはみんな常に一定の距離を保っている。
特定のやつと一緒にいるやつはいない
特定のグループで群れることもない
ところで、僕は今この白虫どもを潰すことができる。
暗い場所で一人でいればいいのに
わざわざ人が集まる場所に来て、それでも
他人を怖がって生きている彼らが健気に見えたから
それはやめておこうと思う。
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