マガジンのカバー画像

シングルマザーのクッキー屋の話

20
シングルマザーの貧困や苦労話じゃなくて、こうやって楽しくやってきたよという希望の話。
運営しているクリエイター

#こどもとわたしのこと

シングルマザーのクッキー屋の話【こどもとわたしのこと①】

こども(あーちん)が0歳の頃から働いていたけれど、公立の保育園に預けることができたし、実母と一緒に住んでいたので深刻な問題はなかった方だと思う。 それでも保育園のお迎えや食事、お風呂、寝かしつけなどを母に頼んだことはほとんどなく、小学校に上がるまではどんなに忙しいときもお迎えから寝かしつけまでが終わってからまた会社に行ったりしていた。(それでも寝ている間家に誰かがいてくれるだけで本当に助かった) 実家はすでになかったので私が部屋を借りて、金銭面でも母に借りを作らないようにして

シングルマザーのクッキー屋の話【こどもとわたしのこと②】

23歳であーちんを産んだとき、周りにママ友もいないし子育ての見本もなかったからか、わたしの子育てはたぶん偏っていて、特に「教育」という視点があまりなかったように思う。 産まれてきたちいさな人は明らかに自分とは別の人間で、縁あってわたしのところにやってきたけれど、もともと持って生まれた人格を持っていると産まれてわりとすぐにわかったので、わたしが「教育」をして子供の人格を作り上げるという義務を感じたことがない。良くも悪くも。 この人はどんな人なのかなあという感心、興味、好奇心で接

シングルマザーのクッキー屋の話【こどもとわたしのこと③】

あーちんが小学生になってはじめての夏休み。 小学生の夏休みは40日間ほどあるのに対して、私(当時会社員)の夏休みはわずか3日間。ラジオ体操にプールなどやることはあれど、どう考えてもヒマだ。そして彼女には学校の外で遊ぶような友達がいなかった。 幼稚園や保育園での人間関係をそのまま持ち越している子供たちとマンツーマン主義のあーちんはすれ違い、そのころ彼女はよく「子供は誤解が多くてひとの話をあまり聞かないから大変だー」と言っていた。 なかなか同じ目線にはなれないのもわかるので、少