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山登り人生VOL227県境縦断記(二人だけの記念山行)その8浦ノ崎海岸へ。完結
長崎・佐賀県境、約107kmの縦断の山旅が終わりました。
七日間、N副会長49歳、私34歳の二人だけ山旅でした。
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第七日目最終日No345
昭和58年4月24日Nと私
浦ノ崎海岸へ。県境縦断終わる。
栗ノ木峠6:30→国見山7:00→観音木池(周辺を彷徨う1時間半ロス)→
林道終点9:45→10:35志佐川10:50→境11:10→
12:45国見岳手前(凄い藪に座り込む)13:00→
ラクダ岩13:15→人形石山14:00→石倉山15:30→16:30浦ノ崎海岸
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前夜行くことが決まると、T先生から電話が鳴った。
ゴールに迎えに来ると、時間を打ち合わせた。
私達以上にこの日を待ちわびていただいていた。
私も少なからず心の昂ぶりを感じる最終日である。
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家内から栗ノ木峠まで送ってもらって出発する。
国見山頂台地の東端をかすめ九州自然歩道と別れ、
北松溶岩台地の方へ進む。
しかし、立派な道に騙されて全く方向違いの東八天岳に進んでいた。
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こんな間違いを二度繰り返し、ようやく正しいルートに戻る。
林道を暫く歩くと、この台地から志佐川へ一気に下る尾根に取り付く。
この尾根は細くて急なので、間違えそうにもない。
今度間違えるとゴールも危ぶまれるので、過敏になってくる。
志佐川に下って、腹ごしらえする。
ここの標高は150mぐらい。佐賀藩の勢いが強かったのか、山を越え志佐川上流まで侵入している。
集落の名もずばり「境」。
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国見岳への急登のあと、450m前後からなだらかとなり、歩き辛い植林地のコースが続く。
国見岳の三角点の後、
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ラクダ岩と名づけられた岩に立つと伊万里湾が眼下に見え、
人形石山から石倉岳と残された県境が手の内に望まれた。
人形石山付近も路は、はっきりしていなかった。
石倉山は南東の方から登山道が延びていた。
山頂直下には小さな祠があって、地蔵さんが沢山私達を出迎えた。
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ゴール目前、浦ノ崎海岸は足元に迫って来た。
石倉山の下りは今計画のフィナーレに相応しく、
最後の藪漕ぎを強いられる。
藪が終わり車道に出る。
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一刻一刻とゴールが迫ってくる。
国鉄松浦線を越え国道204号線を横切って、浦ノ崎海岸に向かった。
護岸を降りて、浜辺に立った。
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冬の有明海から鯉が泳ぐ伊万里湾へ。
「やった。」と心の中で叫び、N副会長に握手を求めた。
達成の喜びに肩の荷も降り、T先生差し入れのビールがことのほか美味しく喉を潤した。
二人のビックなクライム、30周年記念山行が幕を閉じた。
N副会長の報告より
4月24日(第七日目)晴れ
(栗ノ木峠~国見山~人形石山~石倉山~浦ノ崎海岸)
今日が最終日。
最後の締めくくりは二人だけとなる。
距離も長く、且つコース状況不明のため早目に出発。
栗ノ木峠までは℉君(私)の奥さんが送ってくれた。
非常に効率的。国見山頂には寄らず早足で駆け抜けた。
今までのコースとは違い、
地形に特徴がない。
観音木池が見えないのは植林のせいかと東八天の方向へ歩いていた。
コンパスや地図も先入観で見れば、本当のように見えるものである。
自我、主観的、ご都合主義ETC・・・・・・人間は困った動物だ。
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170度くらい反転して、沢筋を観音木池堰堤に出る。
やれやれ、今後は間違わないぞ・・・・・・。
また、間違えた。
それも林道の終点で気が付く始末、約一時間半のロス。
今度は慎重に、しかし大急ぎで境部落へ。
部落手前の岩場で植物を盗んでいる現場を見たが、
時間がないので先を急いだ。
部落の入口で、筍掘りの佐賀県人と話をする。
「隣の長崎県の人と交流はありますか。」、
「畑で会えば挨拶する程度」とのこと
「ただし、学校、言葉、選挙、公民館、農協ETCみんな違う。」
成る程と感心したり驚いたり。
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国見岳、人形石山と伐採が進み、路が良くわからず非常に歩き辛い。
相当に疲れてきたが、
地図上の残りの距離を楽しみに足取りも軽く石倉山到着。15時30分。
ここまで来ればシメたもの。伊万里湾が嬉しく光っている。
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好天のため喉が渇いているが、
Tのビールが浮かんで今しばらく我慢することにした。
最後の藪漕ぎに思ったより時間を取られたが、
全体としては早目に海岸に出た。16時30分。
玄界灘の海水を一寸だけ舐めてみる。感激、
・・・・・・バンザイしてそのままの格好で記念撮影。
国道に出て浦ノ崎駅方向へ歩き出すと、
ライトを点滅させて接近する車ありTである。
出迎えを感謝し乗車する。
待望の1リットル缶ビールを一気に飲み干す。
指の先まで水分が染み透る。
近年稀に見る旨いビールで、県境縦断は終わった。
(気づいたこと)
1 長距離、長時間歩行には、高カロリーで大量の食糧が必要。(当たり前)
2 読図は科学的、合理的で、より客観的に。
3 植林で山は荒れ放題。その上、手入れ不足で木材とならず。膨大な無駄
が行われている。
4 全行程で登った山の高さは、約6,000m。
5 全行程で飲んだビール、1人約4リットル。
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