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シリーズ構成・金杉弘子さんの『ハクション大魔王2020』、『ミュークルドリーミー』に注目!

脚本家の金杉弘子さんの過去の仕事としては、アニメだけでなく、映画・テレビドラマ、NHKの『おかあさんといっしょ』、『天才てれびくんMAX』のイベント舞台脚本を手掛けるなど幅広い活躍をされていて、今期のアニメ新番組では『ハクション大魔王2020』と『ミュークルドリーミー』の子供向け作品2本のシリーズ構成を担当しています。

『ハクション大魔王2020』

第一作のハクション大魔王が放送されたのは1969年。あまり細かくは覚えていませんが、自分は再放送で見ていて、昔ゴールデンで度々やっていた爆笑問題が司会のアニメ特集バラエティで最終回がよく取り上げられていたという記憶が残っています。

それから、いずれも未見ですが、アクビちゃんのスピンオフや、関ジャニの村上信五がハクション大魔王を演じた実写ドラマもありました。

今作は、第一作から現実と同じ時間軸の50年後、第一作のかんいちの孫、カン太郎、同じく愛称カンちゃんが主役。

カン太郎は、学校で宿題を済ませ、早々に帰宅し、家でダラダラ過ごすというのが至福で、やりたいこともなく、夢もない少年。カン太郎は将来像について、こう語ります。

今ある仕事は、みんなAIに取られちゃうんだ。今これになりたいとか夢を語っても、何十年か先にはその仕事は必要なくなってるかも。きっと未来は人間が働かなくていい時代が待ってるんだ!

まあ、極論は入っていますが、AIが人の仕事を奪うというのは現代的なテーマ。また、50年の人間界の技術の変化にハクション大魔王がショックを受けて、魔法使いの私に役に立てることはないと大泣きするという、クラーク的なテーマも取り入れられていて、今後どういう展開をたどるのか興味深いです。

ただ、こういう作品を現代の子どもが積極的に見るとは思えず、親世代も関心を持って見て、子どもと見ようという人もあまりいないんじゃないかという、訴求力の低さが課題と感じるので、もっと大胆にアレンジしても良かったんじゃないかと思います。

『ミュークルドリーミー』

ハクション大魔王2020はファミリー向けですが、こちらは女児向けのサンリオ作品。

もうすぐ中学一年生になる少女の家に、空からぬいぐるみが降ってきて、それが喋って契約してよ的なド定番の流れ。

何者かが負の感情を利用し、人間を欲望のまま行動させ、その後眠ってしまい、その夢の中に入って敵?を滅するという感じなんですが、1話では別に戦うことも、何か対話で解決するということもなく、ステッキ使ってあっさり解決と、あまり見せ場がない展開。全体としても話の深堀りもなく、掴みとしては弱い1話。

まあ、こちらも夢を題材にしているはずで、ハクション大魔王との描き方の違いも含めて今後に注目したいと思います。


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