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迷路迷子 -徒然日記(2024.06.17)

他者と違う何者かになりたい。
という阿保のように漠然とした思いを抱くようになったのはいつからか。明らかにそれは「イタい」と言われる代表例的思考回路であるが、残念ながら私にはその思考回路が組み込まれている。らしい。

そのピュアなんか、こじれてるんか分からない思考は、複雑怪奇の一途を辿るのみである。具体的にどうなりたいの?と聞かれると「お洒落で、センスがあって、個性的で、創作的な人」…と、答えがフワフワしているから尚更タチが悪い。

それでも出会う人達の中で「こういう人になりたいな!」と思うことは多々あり、多くの影響を受けたりマネしてみては、チグハグなアイデンティティを整地して整地して、今の私がある。それはそれで、まぁいいかな、なんて思っている。

ただ、懸念すべきは、年を取るにあたって「こういう人になりたいな!」に加えて、「あぁ、こういう人にはなりたくないな」という判断基準項目が追加されたことだ。

例えば大学1年生のときに、
「カラオケ行こうぜ」という大学1年生定型文集の1ページ目に乗っている言葉に連れられ行ったカラオケルームで、バラードを情熱的に歌う男子と、それを聞いて感動の涙を流している女子を見て『なんやねんコイツら』と思ってしまったとき。

例えば自己紹介で、
私が「音楽が好き」と言ったら、「なぁ音楽好きなん?ワンオクって知ってる?」と言われたとき。

例えばバンドをしていた時に、
「君たちのやってる音楽いいねぇ、俺が若い時は…」と私達を出汁にして自分語りをするヤツに出会ったとき。

例えば卒業式で、
泣きながらスピーチするギャルに「ウチら〇〇期は~(泣」と一色単にまとめられてしまったとき。

こういう時に「俺は明らかにお前とは違う」「絶対一緒にすんな」という感情が沸々と湧き、「ぜってぇテメエみたいにはならねぇ」と思ってしまう。若いころはそれで尖っていても、「若気の至り」なんて言葉で救ってもらえるが、社会人4年目となるとそうもいかない。

自分というものを確立すればするほど、他者との差異は広がっていく。いたって当たり前の事実、且つそれを望んでいるのに、いざ「他者と違う」部分を体感すると嫌悪感を抱く。怖くなる。それを「ぜってぇテメエみたいにはならねぇ」という言葉で武装して拒絶する。

他者と違う?他者が違う?自分のアイデンティティを確立しようとすればするほど、「こういう人になりたいな!」と「あぁ、こういう人にはなりたくないな」が延々と出て来る迷路にハマって、本当に自分がなりたいものが何なのかがわからなくなる。結局自分自身に自信がなく、怖いのだ。

そんな怖さを抱えながらも、生きるしかないのはわかっているが。いったん自分自身の立ち位置を俯瞰で見つめ直したい。





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