noteお題 会社は誰のもの
石垣りんさんという、有名な詩人さんの詩に、会社での会議についての詩があります。
この方は、戦後時代の女性には珍しく銀行で一生会社勤めをし、しかもそのお金で家族全員を1人で支えた人です。
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「顔」
会議室にて
机の前にたくさんの顔が並んでいる。
血のかよっている
笑ったり怒ったり話したりする顔
いつかみんないなくなる顔
とじられる目
つめたくなる唇
からっぽのがいこつ、
けれど永久になくならない
次々と生まれてくる顔
やがては全部交替する顔
それをじっとみまもっている
その交替をあざやかにみている眼―
それがある、きっと。
それが誰だかわからない
ひとり、たしかにひとりいるのだが。
(石垣りん)
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この、「たしかにいる、ひとり」とは
法人のことだと私は思う。
社長ではなく、人でもなくて、
いつのまにか、法人格こそが会社の主になっている。
会社のブランド力やコンセプト、パーパスが重視される、
ホワイト化した、成熟した資本主義の会社の中でも、
やはり人間のためというより、会社のためにみんながまとまって頑張っているんだなと思う。
よって、会社は「法人格」のもの。
会社という有機体の中で、人間がさまざまな動きをする、そういう一つの生き物のように思えます。
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