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女性の健康・自己肯定感とフェムテック

最近、本当にフェムテック増えてきましたね。

私も先日からフェムテックチャレンジしてみようと
様々な商品の情報を調べてみました。
(実際試したレビューはいつかアップしていきたいと思います。)

その中で、産婦人科医として、女性として感じたことを
少し書いてみようと思います。

何か特定の商品や考えを否定するものではなく
今のフェムテックに対する
全体の流れで私が違和感として感じたものを素直に書いてみます。

そもそもフェムテックに人はどうして興味を持つのでしょうか?

・月経や性に関することに悩みがあってでも病院には行きづらい。
・セルフケアとして自分を高めたい
・美容のため  など・・・。

目的は皆さん様々なのかなと思うのですが、

その共通する本心・本質の願いは

健康の向上と自己肯定感を高めたい。
ということなのかなと思っています。

フェムテックという名で、腟をマッサージしたり、いい香りのオイルを塗ったり
機械を挿入したり、ナプキンの素材を変えてみたり、、、
その効果がどれだけ医学的に正しいかということより

そのケアを行うことで「自分の身体と向き合い、ケアする」というところに
心地よさや癒し、自己肯定感の向上が
認められているのではないのかな
と思います。

(医学的に効果がないと断言している訳ではなく、
重点が置かれている部分という意味です。)

女性の体は本当に不自由なことが多いです。
月一回の生理、自身の気持ちとは別に勝手に訪れる生殖可能な年齢のリミット、
更年期など。

なんだか自由に動き回りたい!という気持ちが
自分の体に縛られているような気持ちがする時があります。

少しでもそんな不自由さから自由になって
自分のことを好きになりたい。
仕事や家事・育児で疲れた時 自分を大事に自由にしてあげたい。
いつまでも健康で若々しくいたい。

そんな気持ちがするのは本当に当たり前のことで
それをサポートできるような力が産婦人科医の自分にあれば。。。
どんなにいいだろう。と日々自身の体を実験台にしながら試行錯誤しています。

でも、一息ついて一歩下がって
全体像を見るべきなのではないのかなと思います。

自身の健康を守るのは
正しい知識と実はシンプルなケアだったりします。
月経痛や月経量の多さは、病気が隠れている可能性があり、少しお手伝いさせていただければ
びっくりするくらい楽になることがあります。

自己肯定感に関しても
本当は特別な何かに頼らなくても
実はもっと本質的な事で自分を肯定してあげることができるのではないのかな。
と思っています。

そして、本当の意味での自己肯定感は
何か特別な商品を使う事ではなく、
自身の力で苦労しつつ、勝ち取った先にしか
揺るがない自己肯定感は産まれないのかなと思います。

これは全て自分自身にも言い聞かせて冷静に
自分自身に取り入れるものそうでないものを
判断するときにいつも考えていることです。

新作の高いデパコスでメイクをして
泣きたい日の朝も
なんとか乗り越えて仕事に行ったり、
しんどい日の夜にご褒美として、
高い入浴剤を使ったり

そんなふうに自分を鼓舞させて、乗り切って
必死に走った日々も私自身にもあるからこそ、
そういった自分の気持ちを上げてくれるアイテムが
ときには必要なのも痛いほどわかります。

そしてそういったアイテムのパワー
を信じていますし、私自身も救われてきました。
実際医学的にも効果があっていいものも
ありますし、
便利なものも沢山あります。

それでも、やはり、診療の場で間違ったケアで
健康被害を受けてしまっている方も
実際お見かけします。

本当に必要なものなのか
本当に女性のことを考えて作られたものなのか
ちゃんと冷静に見極めてほしいと思います。

そして何より
「病院にかかりたくない」
と思わせてしまう壁を少しでも取り除いて
「産婦人科の先生に相談するのが安心で心地よい」と思ってもらえるような
心地よさ、ポジティブな気持ちを生み出すような
空気を私たち産婦人科医が
作れていないのが本当に問題なのだな。
と自身も日々反省しています。

ぼんやり沢山のフェムテックの商品の情報を
見ながら
思ったことを綴ってみました。

もっと続きが読みたいな、いいなと思って下さった方は
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