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『アフリカチビネズミ』(BiOctober2021/10/7)

概要

 アフリカンピグミーマウス、ピグミーマウスなどとも呼ばれる世界最小のネズミ。表記揺れというか、この3つは同じくらいの頻度で使われるので、よく知らなければ別種だと思う人もいるかもしれない。

 体型はいわゆるハツカネズミの形と言えるが、とにかくその小ささが特徴的である。成熟した大人でも体を伸ばして5cm程度、丸めれば500円玉の上で寝ることができるほど。生まれたての乳児などは1.5cmくらいしかない。トウキョウトガリネズミが世界最小クラスの哺乳類と言われているが、本種もそれとあまり変わらないくらいだと思われる。

 飼い方はマウスやハムスターなどと変わらない。人間が普通に過ごせる程度の気温なら耐えることができ、日本の夏でも35℃が続いたりしなければ余裕で過ごせるようだ(その気温だったらたいていの生物は死ぬ)。もともとがアフリカ生まれなので冬の寒さには強くないものの、パネルヒーターなどで温めれば床材に潜って暖を取ってくれるだろう。餌は鳥の餌(穀物種子)、ミルワーム、ネズミ用の餌、など何でも食べる。食べる量の少なさを考えると、腐りやすい生野菜などは避けた方がよいかもしれない。

 成体でも幅1cm程度の隙間があれば通り抜けてしまうため、金網部分があるケージは飼育に向かない。プラケースやガラス水槽などが良いと思われる。特大プラケースであれば、10頭程度のコロニーは余裕で収容できる。過密になると特にオス同士は喧嘩をすることがあるので注意。

 繁殖は容易で、ペアを快適で静かな環境に入れておけば自然と殖える。巣作りのために床材を厚く、真っ暗な環境があると良いと思われる。シェルターを入れる場合は、床材に埋めて入口だけを地上に出し、地下室型の巣とすると利用してくれる。ハムスターのように地上にハウスだけを置いておいてもまず使うことはないが、パイプ型のシェルターは床材を詰め込んで使ってくれるようだ。

 オスメス複数のコロニーであっても繁殖が可能なようだが、メスが子供を取りあったりするし、子食いが頻発するような気がするので、効率は良くないのかもしれない。本来の習性としては集団生活をするようだし、繁殖を狙わないのであれば、コロニーで飼うほうが見ていて面白いのでオススメ。

思い出

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 昨年(2020年)のぶりくら市でペアを購入した。ちょうど1年前から飼育を始めたことになる。このときのペアはまだ健在で、どこまで寿命を全うできるか楽しみなところ。とはいえ、コロニーとなった今ではどれがこのペアか判別できないのだが……

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 飼育を始めて1週間程度で、なんと早くも子供を産んだ。逆算すれば、販売されている時点で妊娠していたことになるので、おそらく父親はまた違うオスなのだと思われる。

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 ちっちゃい。
 購入時のデータによればメスはこの時点で生後2か月ほどで、妊娠期間を考えると性成熟が早すぎる気がする。なので、これについては販売店の管理ミス(誕生日が正確でない?)を疑っているが、まあ別に問題はないか……。

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 上の写真から11日後、だいぶ大きくなった。異常な成長スピードだ。まだ巣に籠っているが、独り立ちするころには成体と変わらないサイズになっている。

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 折り重なって眠る子供たち。巣の外を歩くようになってもまだどこかぼんやりしている。

 その後何回か出産があり(子食いも多くあり)、今は全部で13頭のアフリカチビネズミがうちにいる。繁殖の最適な条件を探そうと思い、♀7:♂1のハーレムを作ったりしてみたがうまくいっていない。オスメス同数程度がいいのだろうか?いろいろ試してみたいと思う。

 100均にあるミニチュア系の置物がちょうどいいサイズ感で、センスがある人なら面白い環境を作り出せそうだ。意外と立体活動が得意で、ジャンプするしハシゴを登ることもできる。高さがあるケースで立体迷路のようなレイアウトをするのも楽しいかもしれない。

 基本的な世話はエサと水を足すだけで、掃除も1か月に1回くらい床材を総取り換えするだけ。哺乳類の中でこんなに世話が楽な種もなかなかないだろう。脱走すると絶対に捕まえられないのが難点だが、いろいろな人に飼ってもらいたい良いペットである。

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