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臨 (父親になる日記⑯) 

 前回はこちら。


 36週。ついに臨月に入った。

 一般的に「臨月」というと出産前1か月間のことだが、医学的に正期産となるのは37週以降なので、36週を超えた今はまだ早産と言われる領域ではある。とは言っても、胎児はもうほとんど外界で生きられるだけの体になっているようだ。

 36週以降、検診は週に1回となり、いつ頃産まれそうかを予測する段階に入っていく。いつ産まれてもおかしくないと言ったら言い過ぎかもしれないが、日を追うごとに確率が高まっていくのは間違いない。

 いざ陣痛や破水となったとき、陣痛タクシーというサービスが用いられることがある。事前に登録しておけば24時間迎車を依頼でき、速やかに病院まで移動できるというものだ。長距離を歩けず、自身で運転もすべきではない妊婦の移動手段として用いられている。(普通のタクシーを呼んでも妊婦の搬送は断られることがある。)

 残念ながら俺が住む地域には陣痛タクシーを実施している企業はなく、俺が送迎するか、普通にタクシーを呼ぶしかない。まあ車社会だからタクシーの利用自体が少ないというのはあるだろうが……。

 というか、都心に住んでて車持ってない人って、毎週の検診にも電車乗ったりするのかな? 苦行すぎる。


 妻の腹はいよいよ大きくなり、もう大玉スイカが丸一個入ってるような感じだ。少し前に比べると体調は安定しているように見える。

 どちらかというと俺の方が体調が悪く、先週はおそらくウイルス性の腸炎と思われる症状でダウンしていた。極度の下痢・発熱・関節痛と、こういう症状は原因を特定するのが難しいのだけど、今までも何回か似た症状にやられたことがあったので慣れたものだ。いや、慣れたくはないけど……。

 当初はコロナの可能性も考えられ、妻に感染したらえらいことになるので戦々恐々としていたが、なんとか俺だけで済んだ。(コロナでもなかった。)

 腸をやられた場合、発熱のような全身症状は割と早く収まる。しかし消化機能が復帰する=まともなものが食えるようになるまでは1週間ほどかかる。というわけで、1週間の間はおかゆだのうどんだので凌ぐしかなかった。もう半年分はうどん食った気がする。

 出産前の最後の旅行として1泊旅行を計画していたのだけど、どうしようもなくてキャンセルとなってしまった。妻は楽しみにしていたので本当に申し訳ない。悔しいです!!

 子供が産まれると、というか保育園に行きだすと、子供がもらってきた病気で家族全員ダウンするという事態が頻発するらしい。これはもう間違いなくそうなるらしい。こわ~~~~~。


 最近はあまり散歩をしなくなって(暑すぎるから)、如実に体力が減少しているのを感じる。ちょっと外で作業しただけで動悸がしてくるもんな。夏だから。夏はしゃーない。

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