2023/08/19(土)のゾンビ論文 アメリカ下院がゾンビ戦争への軍事力行使権限承認を廃止
ゾンビについて書かれた論文を収集すべく、Googleスカラーのアラート機能を使っている。アラート設定ごとに、得られた論文を以下にまとめる。
アラートの条件は次の通り。
「zombie -firm -philosophical -bot -xylazine -biolegend -gender」
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -viability -gender」
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -biolegend -gender」
「zombie -firm -philosophical」(取りこぼし確認)
「zombie」(取りこぼし確認その2)
検索条件は次の意図をもって設定してある。
「zombie」:ゾンビ論文を探す
「-firm」:ゾンビ企業を扱う経済学の論文を排除する
「-philosophical」:哲学的ゾンビを扱う哲学の論文を排除する
「-DDoS」/「-bot」:ゾンビPCを扱う情報科学の論文を排除する
「-xylazine」:ゾンビドラッグに関する論文を排除する
「-viability」/「-biolegend」:細胞の生死を確認するゾンビ試薬を使う医学の論文を排除する
「-gender」:ジェンダー学の論文を排除する
また、「zombie」の内容も確認するのは、上記の検索キーワードで不必要にゾンビ論文を排除していないかを確かめる目的である。ただし、条件4の通り、ゾンビ企業と哲学的ゾンビは完全な排除をねらう。
それぞれのヒット数は以下の通り。
「zombie -firm -philosophical -bot -xylazine -biolegend -gender」二件
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -viability -gender」二件
「zombie -firm -philosophical -DDos -xylazine -biolegend -gender」三件
「zombie -firm -philosophical」三件(差分一件)
「zombie」三件(条件4との差分ゼロ件)
「zombie -firm -philosophical -bot -xylazine -biolegend -gender」は政治学、メディア学が一件ずつだった。
検索キーワード「zombie -firm -philosophical -bot -xylazine -biolegend -gender」
下院がゾンビ戦争認可に取り組む:可能性と危険性
一件目。
原題:The House Tackles Zombie War Authorizations: Possibilities and Perils
掲載:Just Security
著者:Brian Finucane
ジャンル:政治学
この論文における「ゾンビ戦争」と主旨は冒頭の文章で簡潔に紹介されている。
要するに、すでに過去のものになったにも関わらずまだ廃止されていない戦争をゾンビ戦争と呼んでいるのである。決してゾンビと人間の間で繰り広げられる生き残り戦争のことではない。
この論文ではゾンビ戦争とその取扱いをいくつか紹介している。
湾岸戦争(1991) → 軍事力行使権限承認を廃止(2023/03)
イラク戦争(2002) → 軍事力行使権限承認を廃止(2023/03)
9.11攻撃への対処(2001) → 軍事力行使権限承認を廃止か更新か議論中
中東決議(1975) → 未対応(論文中で廃止するべきと主張)
60年ほど前の戦争への対応を改めていないのは、怠惰ゆえか覇権主義ゆえか…。
ジャンルは政治学でよいだろう。
Routledgeの健康とメディアの手引書
二件目。
原題:Routledge Handbook of Health and Media
掲載: Journal of Medical Humanities
著者:Kimberly R. Myers
ジャンル:メディア学
Googleアラートのメールによれば、zombieの単語は次の一文で出てくる。
本物のゾンビではなく、映画に出てくるゾンビを扱った論文である。それ以上のことはわからない。
ジャンルは掲載誌より、メディア学。
検索条件1-3の差分(差分なし)
「DDoS/bot」と「viability/biolegend」で検索結果に差異が生じるか調べる。
今回は差分がなかった。
検索キーワード「zombie -firm -philosophical」
上記の条件で誤ってねらいのゾンビ論文を取りこぼしていないかチェックするために、こちらの検索結果もチェックしておく。ただし、ゾンビ企業と哲学的ゾンビは意図的に取りこぼすこととする。
ステファニー・ピーブルズ・タベラ、処方箋と手紙の物語: フェミニストの医療小説とアメリカ検閲の失敗
原題:Stephanie Peebles Tavera,(P)rescription Narratives: Feminist Medical Fiction and the Failure of American Censorship
掲載:ALH Online Review
著者:Sara L. Crosby
ジャンル:ジェンダー学
「-gender」で排除。(P)rescriptionはprescription(手紙への返答)とprescription(処方箋)を組み合わせた造語。
Stephanie Peebles Taveraというフェミニスト学者が著したジェンダー学を包括する風刺小説?に関するレビュー。しかしその風刺小説自体も歴史的文脈をレビューしているようなものであるため、レビューのレビューをしているような気がしてならない。
検索キーワード「zombie」(差分なし)
「zombie -firm -philosophical」との差分を確認する。上記条件からも排除され、こちらの条件でのみ引っかかった論文がゾンビ企業・哲学的ゾンビの論文であれば、ねらい通りといえる。
今回は差分がなかった。
まとめ
「zombie -firm -philosophical -bot -xylazine -biolegend -gender」は政治学、メディア学が一件ずつだった。
「ゾンビ戦争」という単語を映画や小説などで描かれるゾンビの出現に脅かされた人間の生き残りをかけた戦争以外に使っている例を初めて見た。しかも結構まじめな題材で、だ。いかにアメリカでzombieという単語が市民権を得ているかがわかるというものだ。
今日はねらいのゾンビ論文なし。
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