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ショーレースとしてのお笑い

今回のM-1を見て、今までとは少し違った視点で見たことで、受けた印象がだいぶ今までと違いました。

私はお笑いは、あくまで個人的な娯楽としての楽しみで、ショーレースの結果は然程興味が今までありませんた。

ネタのテクニックやらを深く考えてみたり、比較してみるような評価はむしろ抵抗があったのですが、

今回のゲストに野球のWBC日本代表監督の栗山監督が来られていて、勉強しにきました、とおっしゃっていました。

その言葉を聞いて、なんとなく楽しめれば良いという感覚ではなく、各芸風や空気感、テクニックのようなものに、素人ながらに興味を持って見てしまいました。

細かい技術は、私にはわからないのですが、空気の作り方というのでしょうか?
会場の空気を変えていく、自分の空気に変えてしまうというのか。令和ロマンのくるまさんの初っ端の空気の作り方に完全に引き込まれた感覚がありました。

松本人志さんが、
お笑いは遠近感だから

と、どこかの評価コメントでサラリと言っていましたが。
ボケが一人で遠くに行きそうになったり距離を詰めてたりしていくのに対して、ツッコミは視聴者の代弁者のようなポジションにいながら、その距離をコントロールするんですね。

決勝の令和ロマンはボケが視聴者を置いていきそうなテンションをだしながら、ツッコミがちょうど良い距離感を作って、一体感が凄いと感じました。
対して、さや香は、ツッコミ、まったく距離詰めないんですね。お客さんとの一緒に取り残されていくような展開。
新山さんが一人でどこかにいってしまうような展開で、そういうネタなのでしょうが。
それも3時間もある番組のラストにちょっと頭使うネタをもってきたことで、個人的には面白かったですが、コレは誰も着いていく気にならないだろうと。
ショーレースには向かない、でもらしさのあるネタだったのかもしれないですね。


お笑いのショーレースは、結果を気にしないように、その場その場の楽しみとしてしか見てなかったのが、
空気感の作り方や、状況に応じた距離の作り方、コンビ同士の役割と、さまざまなものがあるのだと気付かされて感慨深くなりました。

ちょっと、今回の参加者たちの他のネタも見て見たいと思ってしまいました。
お笑いとは、気楽に見るもので、あまり重い空気になるような本気度は、対極にあるものだと思っていましたが、こういう面白さもあるのだと感じました。

私も学ばせてもらえたと思います。

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