あすなろの手紙〜俳句を添えて〜

これは、鶫さん、Alohaさんと紡ぐ公開の手紙です。多くの人に楽しでいただける内容だと思っていますので。是非ご一読ください。

橘鶫さん、Alohaさん

寒い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
こちらは昨年末以来の大雪でおよそ60センチほど積もっております。でも、重大な事故などは起こっていませんの安心してください。

冬は、不思議ですね。とても寒くて、気持ちも落ち込みやすい。それなのに、真っ白な雪は汚れていない美しさの象徴のような存在で、月明かりに照らされている時など、この世で最も美しい幻想的な世界を見せてくれます。美しさと儚さは隣り合わせにあるということなのでしょうか。ここらへんの機微は、俳句にでもして表現しなければうまく伝えられないものかもしれませんね。

前回の手紙で、「これまでで一番感動したもの」に答えていただきありがとうございました。
Alohaさんのラニカイビーチ、鶫さんのサクラダファミリア。お二人の個性が出ていて大変面白く読ませていただきました。

僕もいただいた質問に答えていきますね。
まずはAlohaさんの質問。「タイムマシーンがあったらどこに行く?」
僕は、過去に行きます。未来は楽しみに残しておくということで。
過去のいつに行こうか。悩みますね。数々の偉人にも会ってみたいし、いまは失われた城や絵画も見に行きたいです。
そんな中で一番惹かれるのは、古墳時代でしょうか。広く言わせていただけるならば、縄文、弥生、古墳時代に行ってみたいと強く思います。その魅力は、何も分からないからです。

冬銀河年輪読めぬ縄文杉       清川鮎太

我々の祖先は何を食べ、着て、どんな風に暮らして居たのだろうか。そして、どんな思想を持っていたのか。考古学者の森浩一氏は、日本文化の基礎は縄文時代にある、と言いました。豊かな土壌と作物、魚介類に支えられた古代の文明はどんなものであったのか、知りたいのです。もしかしたら、かなりの飛躍になりますが、俳句や短歌の根底に流れる自然思想の原型も感じることが出来るのではないかと淡い期待も持っています。
こうやって手紙を書いている最中にも、奈良県の富雄丸山古墳から国内最大の鏡と剣が発見されましたね。古墳時代前期、4世紀のもので、当時の技術力の高さが想像以上だったことが分かったそうです。
全く想像できない、知らない時代はワクワクしてきますね。

続いて、鶫さんからの質問。「得意な料理は?」
僕はパーティなどとは無縁な生活をしているので、人とご飯を食べる時はもっぱら居酒屋やレストランなど外食です。自分で作るのはあくまで自分が食べれればいいのでかなり手抜きです。
そんな僕が人に出してもいいかなと思うものは、「炊き込みご飯」です。
果たしてこれを料理と呼んでいいのか怪しいですが、炊き込みご飯は僕にとってご馳走で、心が弾む一品です。
僕のイチオシは、「舞茸の炊き込みご飯」です。舞茸の豊かな香りに小さくした鶏肉、鮮やかな人参。味付けは、濃くならないように気をつけながら、醤油、酒、みりん、白だしで。水に浸したお米とともに炊き込んいると、部屋いっぱいに優しい香りが漂います。

書いていたらお腹が減ってきていましました。毎回そうですが、好きなもを書くと筆が止まらなくなってしまいます。

今回も僕からの質問で手紙を終わりたいと思います。
「冬の思い出を教えてください」です。
学生の頃の話でもいいですし、社会人になってからのものでも構いません。

寒さもいよいよ厳しさを増しています。お二人が風邪など引かれませんようお祈りしております。

炊き込みご飯の香りが忘れられない鮎太より

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