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あろらべ企画参加【故郷を恋しくさせる花便り】

故郷を恋しくさせる花便り

「元気にしていますか。ご飯はちゃんと食べていますか。たまには顔を見せに帰ってね。今年も桜が咲いたから一緒にお花見しましょう」
当時大学3年生になってめっきり帰省しなくなっていた僕に、祖母から手紙が届いた。その短い手紙には、小さな花をつけた桜の木の写真が同封されていた。その桜の木は実家の庭にあり、高さ2mほどで幹は細く花をつける枝も4、5本しかない貧相な木。
でも、その木には僕と祖母と家族の思い出が詰まっている。

「今年も一緒にお花見しましょう」
そう言えば、実家にいた時は毎年家族でお花見をしていた。大きなおむすびに沢山のおかず、ジュースやお酒を飲みながら笑い合っていた。そんな光景が蘇って、無性に帰りたくなった。当時の僕は、祖母の花便りを読んで、飛んで帰った。

あれから10年。毎年祖母は桜を楽しみにしている。
小さい頃は僕を背負って見に来ていた。歩けるようになったら2人で散歩しながら。いまでは僕が祖母の手を引いている。

3月21日、今年はまだ蕾。もうすぐ咲く。

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アロラベ企画【サクラをみるなら】に参加させていただきました。
すいません!とても個人的な、誰も見に行けない場所について書いてしまいました。申し訳ないので最後に、島根の桜スポットを紹介します。松江城山公園は松江城を取り囲むように無数の桜が花をつけます!天守閣と桜のコラボレーションはとても美しく雄大な風景ですので、ぜひ見ていただきたいです。

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