見出し画像

アニメの良いトコ悪いトコ#3-ぼっちざろっく12話「君に朝が降る」-

ぼっちざろっくはいいぞ…

ということを最終回12話を分解してお話しよう。
文化祭のライブから始まる12話。
これは神話の法則で言うところの<最大の試練>である。
同時に、1話でぼっちちゃんが「文化祭でライブしてチヤホヤされるんだ」
と言っていたことから、このライブの成功がそのまま<報酬>となる。

ライブ中、ぼっちちゃんのギターが壊れる。
<最大の試練>では主人公が一度死んだような状況になると良いらしい。
そう、このギターが壊れることこそ主人公の死であり、
ライブの成功は絶望的に思える。
そこにあったのは「おにころ」の空き瓶!
そう、これは<賢者>きくりから授かった魔法のアイテムなのだ!
ボトルネック奏法により危機を乗り越えライブは大成功。
チヤホヤされるとまでは行かないが、
ぼっちちゃんは最低限の<報酬>を入手するのだ。

ストーリー論をかじった方の中には、
このライブシーンでクライマックスを迎え、
保健室のベットで目覚めたら、もうストーリーは終わりではないか?
新しいギターを買うシーンは完全に蛇足ではないのか?
と思う方もいらっしゃると思う。

否!!

ぼっちざろっくはぼっちちゃんの成長の話、
キャラクター主導の作品なのだ。

ぼっちちゃんの成長という面で考えれば、まだ道は途中なのだ。
<帰路>でぼっちちゃんは日常に戻ろうとするが、
ギターが無くなったので、自分のギターを買うため結束バンドのみんなと
御茶ノ水へ行く。
ギターがなければ今までの日常へは戻れないのだ。
そしてここで、ぼっちちゃんの人見知りが<復活>する。
楽器屋でヘドバンをし、
店員に話しかけられると人形のように固まるぼっちちゃん。
ぼっちちゃんは再び死んだのだ!
しかし結束バンドの皆に支えられ、新しいギターを買い復活。
このギターはぼっちちゃんの新しい自分(生まれ変わり)であり
自分のギターということが自立への一歩であるのだ!

新しいギターを持ってぼっちちゃんは家に<帰還>する。
しかしそこはかつての日常ではない。
結束バンドという仲間がいて、自分のギターを持ち、
文化祭のライブを成功させたぼっちちゃんなのだ。
翌朝、ギターを愛で、学校へと向かうぼっちちゃん。
新しい旅へと向かうのだった。

こう考えると、外面内面とも充実した、
実にキレイなヒーローズ・ジャーニーではなかろうか?

ぼっちざろっくはいいぞ
なのだ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?