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【紹介】 ヤマシタトモコ 『違国日記』


私はあまり漫画を読まないのだが、一年前にこの漫画と出会い、愛読している。出会いはKindleで、Amazon prime会員なら2巻まで無料だったから手を出してみた。作画の軽さと話のテンポが自分の中でしっくりときて、難なく読み進められたのだった。現在は、無料版の1、2巻も含め、最終巻の11巻まで単行本で揃えている。今では『違国日記』からしか得られない栄養素の不足を感じたとき、付箋を貼ったシーンをじっくりと読んだりする。一年前に会ったばかりとは言え、『違国日記』はすでに私にとって欠かせない存在なのだった。

ヤマシタトモコ『違国日記』は、現代を生きる者たちの人間ドラマが描かれている作品だ。帯文の言葉を借りれば、「人見知りの小説家と姉の遺児(高校生)がおくる手探り同居譚」である。少女小説家の高代槙生(35)は、交通事故で亡くなった姉の娘、つまり姪である田汲朝(15)が、親戚間でたらい回しにされているのを見過ごせず、勢いで引き取ることにした。ただ槙生はそもそも人と暮らすことが苦手であり、また純粋無垢な朝にとっては、気難しい槙生の言動は、まるで「違う国の言葉」のようである。そうした2人が、すれ違いながら、それでも、共に居ようとした物語である。

近日、これに関する評論を書く予定である。今回は、その準備。


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