黛灰の活動終了に寄せて

(注:これはオタクのすごい気持ち悪い弔辞のようなものです。くれぐれも読む際には注意してください)


黛灰が活動を終える。

去年の六月、黛灰の物語を終えてから一年が経った。

僕はあの物語の大詰め、結末を見る前はあのAIのようにさっさとにじさんじを去っていくものだと思っていた。
黛は最初からあの物語を紡いでいて、本当に最初の頃はあの物語だけが彼をバーチャルの世界に居させるものだっただろう。
しかし、彼はその結末を選ばず、これからも活動していくことを選んだ。希望がはらんだ「これからの話」だったのだ。

僕は黛灰が大好きだった。
Vtuberに対する考え方が一番似てたんだと思う。
バーチャルだキャラクターだ、みたいな話をしてくれて、
そうじゃない、と強く否定したこと。

黛灰というキャラクターは、物語の中で、明確な意思を持って、こちら側に語りかけてきた。
メタバースじゃない。アバターじゃない。

そして黛灰がにじさんじという箱自体に与えた影響もとても大きなものだったと考えている。

繋がりがなかった異色コラボや大人数のコラボ、突発で集まった、というコラボにさえ黛はいた。

彼のチャンネルを見に行くと動画の少なさに驚く。もちろん三年活動しているだけあってある程度動画はあるのだが、あれ、もっと黛なんかしてたよな。と思わざるを得ない。それほどに存在感が強かったのだ。

そんな黛が活動を終える。

きっと黛のことだから楽しくて、しんみりした感じにならないように去っていくのだろう。でもやっぱり死は死だ。

生前葬って言っちゃってるんだもんだって。

どれだけ活動終了って言ったって

どれだけファンの僕らが記憶に残してたって

どれだけお前が生きていたって

死は死だ。

この文章は花を送るつもりで書こうと思った、

立派な花じゃない。誰が見るかもわからない道端の花を拾ってくるつもりだった、

彼じゃなくてもいいし、なんなら誰も見なくていい。僕が彼を思い出すために、この思いを忘れないために持ってきた醜い花だと思っていた

でも、書いていてやっぱり棺に眠る黛を叩き起こして頬を叩いてやらなきゃいけない気がしてきた。

でも白装束の彼は笑いはするけど決して目を開けてはくれないんだろうな、なんて思うとどうすりゃいいのかますますわからなくなってきた。

さらば、黛灰。

この世で出会えてリアルタイムで追えたことを誇りにしようと思う。

できれば来世では会いたくないな

だって来世じゃもう黛灰じゃないから




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