同期のカターレ #8 「それぞれの願いは叶わず」

2016年。
この年から、毎節招集メンバーが入れ替わるそれまでのJ-22に代わり、FC東京、G大阪、C大阪の23歳以下のチームが参戦し、J2からは大分、栃木が降格、JFLからは鹿児島が昇格。
全16チームでの戦いになった。

監督には三浦泰年氏が就任した。
北九州でチームを躍進させた実績があるので大いに期待した。
またこの年からチームOBの黒部が強化部長に就任し、選手としては徳島から衛藤と窪田、愛媛から代健司らを獲得し、西川優大が栃木から復帰した。
またこの年には、大卒で脇本や萱沼などが加入し、即戦力となった。

開幕2試合は引き分けたが、その後G大阪、FC東京とU23チームに連勝、強風のため1節延期になったが、その後も大分、長野を相手に連勝し、第8節を終えて4勝3分の無敗で2位につけた。
この年は秋田も好調で同じく無敗で来ていた。
第9節はアウェイでその秋田と首位攻防戦になったが、そこで敗れる。
続いて、J3での初対戦になった栃木にも敗れて連敗となり、次の盛岡戦も引き分けて一旦7位まで順位を落とす。

しかし6月は3連勝して、順位を4位まで上げる。
だが、7月に藤枝、盛岡とまた連敗し、8月初めには秋田にホームでも敗れていたが、前半最後に順延されていた鳥取戦で快勝し、入替戦に進める2位に勝点4差の4位で前半戦を終えた。
波はあったが、昨年特別指定でこの年正式に加入した萱沼が、前半戦だけで7ゴールを決める活躍を見せており、十分に昇格を狙える位置につけた。

首位に立っていたのは栃木だった。
前半は調子が悪かったが、富山戦で勝利してから10連勝し、一気に首位に立っていた。

後半戦に入る前、8月終わりから9月初めに天皇杯の試合があり、9月の第1週にJ1の鹿島と対戦した。
この試合はテレビの中継もあり、どんな試合になるか期待していたのだが、こちら側の攻撃陣がメンバーを落としていたように見えて、結局0−3で完敗だった。

しかし、リーグ戦の再開試合、藤枝戦を勝つと次のYS横浜戦では0−3から試合の終盤に大逆転。
これで2位の大分と勝点3差となり次節に直接対決を迎えた。
ホームでの試合はお互いに譲らずスコアレスドロー。
勝点差は変わらなかったが、次のG大阪U23戦を落としたのが痛かった。
この試合では当時、J3の主力として出場していた堂安にゴールを決められている。
ここで2位とは勝点6差となり、次の試合もスコアレスドローで3試合連続無得点。
この頃はとにかく点が取れなかった。
前半戦は好調だった萱沼が点を取れなくなり、この時期は三上以外得点できないという試合が続いた。

続く鳥取戦はその三上のゴールで勝利して、首位栃木との直接対決を迎えた。
アウェイで戦った試合は廣瀬浩二に先制点を許して、前半のうちに2点リードを許す。
試合は結局このまま敗れて、2位大分とは残り3試合で勝点8差となり、かなり苦しくなった。

次の試合は引き分け以下で昇格の可能性が消滅するところ。
せめて勝って望みをつなぎたかったところだったが、続く琉球戦を引き分けて結局この年の昇格の可能性はなくなった。
この試合では、2018年からチームメイトとなる才藤にゴールを決められている。

最終的には長野や秋田にも抜かれて、結局順位では前年を下回る6位で終了した。
昇格争いは、途中の10連勝もありずっと首位で引っ張っていた栃木だったが、最後の2試合を1分1敗として大分に逆転されてしまった。
大分は1年での自動昇格を決め、栃木はJ2の21位、金沢との入替戦に進んだ。

ホーム&アウェイで戦うこの入替戦。
初戦は栃木ホームだったが、この試合、終了間際に得点を決められ、アウェイゴールを許して敗れることになる。
続く第2戦は、何の因果か、金沢の競技場が工事に入っていたため、金沢のホームの試合として富山で行われた。
自分も見に行ったが、金沢の応援が新鮮だった記憶がある。

試合は元栃木の中美の活躍で金沢が2−0で勝利。
栃木にとっては、2試合通算で0−3の完敗だった。
栃木の1年でのJ2復帰はここで道を閉ざされ、翌年もJ3での戦いになることが決まった。

この年、同期で唯一J2を戦った岡山は、赤嶺や矢島が加入し、前年に加入した岩政、加地といった経験のある選手とうまく融合、年間を通して好調だった。
開幕6試合を負けなしでスタートし、その後も連敗がなく、第11節以降はずっと6位以内をキープした。
終盤に調子を落として、第37節、38節と初の連敗、その後も第40節、41節と連敗をしたが、最終的には何とか6位でフィニッシュ。
初めて昇格プレーオフに臨むことになった。

プレーオフの初戦はこの年最後の最後で3位に転落してしまった松本山雅。
山雅ホームで行われた試合は引き分けでも敗退という試合だった。
試合は1-1で終盤まで進んだが、アディショナルタイムに赤嶺が勝ち越しゴールを決めてこれで決勝に進出。
岡山から駆け付けた多くのサポーターが陣取るアウェイ席からは、熱気から湯気が立ち上り、その様子が大きな話題にもなった。

J1昇格をかけた一戦の相手はC大阪。
この戦いはこの年セレッソに加入した清原にゴールを決められ、敗戦。
J1の夢は散った。
それでも、初の昇格プレーオフで決勝まで進み、J1まであと一歩というところまで迫ったことで、チームの成長が感じられる1年になった。

3チームのそれぞれの結果は出た。
最終的に、同期の3チームいずれも惜しいところまでは行ったが願いはかなわず、その願いは来年に持ち越しとなった。

2016年成績(J2 全22チーム、J3 全16チーム)
富山 6位 13勝10分7敗(J3)
栃木 2位 17勝8分5敗(J3)
岡山 6位 17勝14分11敗(J2)

直接対戦成績
富山 2敗
栃木 2勝

得点者
萱沼優聖 7点
三上陽輔 6点
苔口卓也 5点

次回予告
同期のカターレ #9 「まさかの大失速で昇格ならず」

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