空想と妄想と現実逃避に違いはあるのか
『生まれ変わったら、スパダリになりたい』
この言葉への友だちからの大半の返しは、『え?スパダリに出会って幸せになるんじゃなくて?』と言われる。
まぁ、現時点でのセクシュアリティ的にはそれが良さそうだけれど、生まれ変わったらの話だから、スパダリ側になりたい。
与えているふりをして、相手から奪っていくあの人種に。
自分しか選択するものがないと思わせる、思考を奪い去る人種。
相手は性別問わず、ひたすらに可愛い人種。
メガネを外してメイクをしたら美人でしたとか、ボサボサの髪と服装直したらイケメンでしたみたいな。
そんな人、見かけたことも伝え聞いたこともないけれど。
スパダリになったからには、王道をいきたいよね。光源氏システムとかも良いよね、狂気を孕んでいて。
と、こんなことを考え始めると、疲れている証で、こうなるとややこしい。
夏はポンコツな自律神経によって何もかもが鬱陶しくなる。
話すことも食べることも眠ることも。
『昨日、2時間しか寝てないし』とか、言っちゃうような、まるで、厨二病の無気力自慢みたいな状態。
外に出るのも億劫で、あらゆるドラマとマンガと小説に休日を消費する日々で、すっかり思考は現実離れ。
そして冒頭の境地に辿り着いた。
空想からの妄想からの現実逃避。
スパダリなんてものはこの世にいないのはわかっているから空想しているうちに、リアリティを求めて妄想に傾いていき、最後は現実逃避的に思考を『今』から追いやる。
そんなわけで、私は今日も、来世でなるはずのスパダリの極意を学ぶべく、空想の世界から漂い始める。
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