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お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力……はこう「動いた」を読んだよ

どうも、最近仕事が忙しくてWeb制作が滞っているTikkaです。

さてさて、元が理系の身なので世界史、日本史、経済などを深く学んでこなかったので過去の出来事やお金の流れをあまり知らないで生きてきました。

この本を知り合いに紹介してもらった際、興味本位で読んだらとても勉強になり面白かったので感想を書きたいと思います。

世界史の主要な出来事を経済的な観点から見る

本のタイトルの通り、古代ローマ〜現代のリーマンショックまでのお金の流れで人類の歴史を解説しています。

「お金」という一種の客観的な視点から世界を見ることで、各国のバイアスがかかっていない本当の歴史を知ることができ、お金への見方を変えることができます。

お金の流れで見る第一次世界大戦

僕がこの本を読んで特に印象に残ったのが第一次世界大戦を経済的な視点で観た話でした。

第一次世界大戦が起きた原因は「オーストリアの皇太子がサラエボで暗殺され、オーストリアがセルビアに宣戦布告し同盟関係に引きずられてイギリス、フランス、ロシアなども参戦していった…」というのが一般的です。

しかし、第一次世界大戦前の経済の状況を見るとそれぞれの国で利害関係がはっきりしています。

当時のヨーロッパではドイツは急激に経済発展をしている国で、1910年時点で世界の工業生産のシェアはイギリス15%に対してドイツは16%と当時の工業先進国イギリスを抜くほどでした。

ドイツは第一次世界大戦前からヨーロッパ最大の工業先進国になっていました。

しかし、ドイツのこの成功が他のヨーロッパ諸国のねたみをかっていました。さらに当時すでに中東に石油がが発見されており、ドイツは、新しい鉄道を敷設しヨーロッパ各地と中東を繋ぐことで石油採掘に本格的に乗り出す計画を立てていました。

このままドイツを野放しにしていると危ないと思われ、英仏露が結託しドイツを叩き出しました。

第一次世界大戦はエネルギー革命をもたらした戦争

第一次世界大戦は「戦争の被害を受けなかったアメリカ」「日本が急成長した」という事が取りざたされるが、エネルギー革命が起きたことも重要視したい。

要するにエネルギーの源の主流が石炭から石油に変わったのです。戦車や戦闘機、戦艦など石油を動力源にする兵器が増え、逆に石炭は時代遅れになりました。

この石油が経済勢力図を変えました。

当時世界一の石油産出国であったアメリカが強く豊かになる一方、石炭によって栄えていたイギリスは滑り落ちてしまいました。

第一次世界大戦はエネルギー革命を産み、経済勢力をガラッと変えてしまったのです。

国が崩壊するパターン

この本に書かれている国が崩壊するときの決まったパターンで「特権階級による租税回避と中間層以下への厳しい課税」をあげており、著者は国を長く繁栄させるためには「特権階級をつくらないこと」と指摘し、タックスヘイブンを例に世界が悪い方向に向かっている現状を示唆しています。

中世以降の現在へと続く流れをお金と共に学ぶことができてとても興味深く楽しめました。

「貿易の勝ち逃げをしたアメリカの罪」は現在の中国も似たような感じなのかな?と思います。




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