鳴くはずの蛙は既に土の下、私はどこに帰らりょか

磯の香り

枕元の水さしに泳ぐ深海魚

母ちゃんの煮た甘い里芋

擦り切れた着物の端

泣いてばかりで大きくならない妹の足

足の小指がなくなる頃には

鎮守の森も歌で賑わう

神様が連れてきた小童

小首を傾げて宙返り

曇天の春もまた巡る

#あたおか散文

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